先ほども書いたとおり、古い細胞は、肌の表面で空気に触れて乾燥すると、自然にぽろりとはがれ落ちます。しかし、化粧水やクリームで肌がべたべたにしていると、この古い細胞が剝がれにくくなるそうです。剝がれないので、新しい細胞が生まれず、新しい細胞が作られないので皮膚が薄くなり、くすんで見えたり小じわができやすくなる…という悪循環に。
また、皮膚は絶妙なバランスの構造でできており、水分の蒸発を防いだり、化学物質や異物の侵入を防いだり、といった天然のバリア機能を備えています。けれども化粧品に含まれる「油」や「界面活性剤」は肌になじみ、このバリア構造を壊してしまうとか。その結果、肌がもともと持っている水分調節機能が損なわれ、どんどん乾燥してしまうらしいのです。
肌の乾燥・トラブルの本当の原因は…
スキンケアの基本は「保湿」。肌にたっぷりと潤いを与えて乾燥を防ぎ、肌トラブルを予防する、というのが一般的なスキンケアの考え方です。
しかし、「化粧水」はほとんどが水分でできているため、時間が経つと水分が蒸発していきます。水分の蒸発とともに、肌の表面の細胞がめくれあがり、潤いを保つことができなくなってさらに肌の中の水分も蒸発…。
そこで、「乳液」や「クリーム」を使って潤いを閉じ込めます。が、乳液やクリームには「油」や「界面活性剤」が含まれているため、やはり肌のバリアを壊すことになり、いっそうの乾燥を引き起こすことに。
また、化粧品に含まれるさまざまな「美容成分」は、毛穴から浸透すると酸化し、有害な酸化物に変化。すると肌はこれを異物とみなし、排除しようとして炎症が起こります。この炎症反応を繰り返すうちに、メラニン色素が増え、やがてシミやくすみに…。
結局、肌をケアすればするほど乾燥や炎症が起こり、肌のキメが乱れてボロボロに…。
『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』の著者・宇津木龍一氏によれば、最近、乾燥肌や敏感肌の人がどんどん増えている要因として、“化粧品とスキンケアのしすぎが原因”と指摘しています。
ゆるゆると化粧品の使用をやめてみました
さて、時間はかかっても、化粧ができなくても、総合的に考えて健康な肌になりたい、と考えて始めたこのスキンケア法。
じつは、このスキンケアを始める前、「夜だけ何もつけない」という美容法を試していたので、その流れでスムーズに移行できるだろうと、気軽な気持ちでいたのです。
でもやはり、初日の違和感は相当なものでした。
水で顔を洗う。ただそれだけですが、手に顔の脂がくっつく感じが、決して心地いいものではありません。きちんと洗えているのか、肌の汚れが取れているのかどうかも気になります。
クレンジング、化粧下地、乳液、コンシーラーなど、油や界面活性剤を含むものは肌へのダメージが最も強いということで、これはスッパリやめることができました。問題は、化粧を薄くした状態での外出です。