子どもの未来のために知っておきたい『小さき声のカノン――選択する人々』『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』
最後に親子ではなく、親として子どものために見ておきたい映画として『小さき声のカノン――選択する人々』(3月7日よりシアター・イメージフォーラムにて公開)『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』(4月25日より渋谷アップリンクにて公開)に触れたい。この2つの作品は、子を持つ親として知っておきたいことが語られている。
『ミツバチの羽音と地球の回転』など“核”をめぐるドキュメンタリーを発表してきた鎌仲ひとみ監督による『小さき声のカノン――選択する人々』が焦点を当てるのは、原発事故が起きた福島とチェルノブイリ。今後、日本でも起こりうる被爆の影響を想定して、チェルノブイリ原発事故で多大な被害を受けたベラルーシで、その後、どんなことが住人の体に起きたのか、それに人々はどう対処していったかを丹念にリポートする。
方や福島でとりわけ注視をして伝えるのが、現地で生きるお母さんたちの声。黙っていてはすべてないものにされてしまう現状に、立ち上がるしかなかった彼女たちの声にならない声は重く受け止めなくてはならない。大手メディアでは伝えてくれない、いまの福島で生きる子をもつ親の本心がここには記されている。
一方、タイトルからも察しがつくように『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』は、いま日本でもひじょうに関心度の高い “食の安全”について警鐘を鳴らすドキュメント。3人の子の父となって“食”について考えるようになったジュレミー・セイファート監督が、アメリカでは表示義務さえないため、その存在自体が知られていない“遺伝子組み換え食品=GMO”について鋭く検証していく。
遺伝子組み換え食品をめぐる食産業の次々と明るみになる実態には唖然! 親としては頭の中に入れておきたい“食の安全”についての知っておきたい情報がここにはある。