いつしか親の真似をする子ども
親が子どもを意のままに動かす方法として暴力の手段をとっていると、子どもの中には親が自分にしたやり方を真似をして、大人が見ていない陰で、自分より弱い子や小動物を苛めたりするケースもあります。
又、親の背丈を越した時に立場が逆転して親が子どもから暴力を振るわれるようになったり、将来、メンタル不全に陥ったりすることもあります。更に子どもが人の親になったとき、同じようにする連鎖が始まります。
どうすればいいのか
最初から教えて行く
“赤ちゃんだから絵本を踏んでもいい、赤ちゃんだからテーブルの上に上がってもいい“と自由にさせていると、子どもは”絵本は足で踏んでもいい、テーブルに上ってもいい”と学習してしまいます。
でも、3歳くらいなるとそれを許している訳にはいかなくなり「もう、幼稚園に上がるんだからテーブルに乗ってはいけないよ」とか「3歳のお兄さんになったんだから」と大人が区切りを付けます。
でも、子ども側に立ってみれば3年間で染みついた習慣はなかなか修正がきかないので、すんなり言うことを聞いてはくれません。
すると親は大声を出したり、叩いたりする手段をとらざるを得なくなります。これは小さいうちに教えていなかったことが原因ですね。
赤ちゃんが絵本を踏んだときサッと絵本をどけたり、テーブルの上によじ登ったとき「食事をするところだから下りようね」と降ろしておけば、直ぐに言うことを聞かなくても幼いなりに理解していきます。
次にちょっとしたコツをお話しましょう。
「そんなにうまくいくはずがない」と思っているママへの秘策
メラビアンの効果という言葉があります。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの概念として知られているもので、初めて会った時にその人を認識する割合を以下の通り数値化しています。
- 言葉や話の内容・・・7%
- 口調、声の質、話す速さなどの聴覚情報・・・38%
- 見た目や表情などの視覚情報・・・55%
話の内容で説得しても親の注意は耳から耳へすり抜けてしまいます。つまり、普通の声や顔で「テーブルにのってはいけません」とか「テーブルから降りてね」では伝わりません。言葉の内容ではなく、表情、声のトーンをめいいっぱい駆使して伝えましょう。
叩く必要はありません。いつもより怖い顔で強いトーンで「ここは食事をするところ!テーブルの上から足を下ろそうね!」と言いましょう。その空気、ピンと張り詰めた空気、いつもと様子が違う母親の顔を見れば、0歳児、1歳児でも察することができます。
そして、忘れてはならないのは、子どもが一瞬でも降りたら、鬼の顔からモナリザの顔へ変身して「そう、よく気が付いたね。偉いね、成長したね」と褒めることです。この繰り返して子どもはやっていいこと悪いことを学んでいきます。
叩いてしつけても、一瞬、痛いから、怖いから従っているだけ。どんなに小さい子どもであっても一人の人間です。「なぜ、それをしてはいけないのか」を諭す気持ちで、表情、声のトーンを駆使し、俳優のように演じることでしつけてみませんか?