「子どもの幸せを願って」の目的は一緒でも、今と昔とでは子育で180度違うことがたくさんあります。でも、その知識がない義母から嫁として、また実母から娘として“ダメ出し”されバトルになったり、凹んでしまうことはありませんか?

どうやって説得すればよいのでしょうか。『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。

“人は変わらない”の前提でいる

人の考え方はそうそう簡単には変えられません。年齢を重ねれば重ねるほど尚更です。

「今まであなたはその考え方、価値観、子育ての方針で生きてきたかもしれませんけれども、実はそれは誤りだったんです!今日から考え方を変えてもらわないと困ります!」と言われたら?

言った相手を恨んだり、言われた内容に拒否反応を示したり、自分を否定されてひどく傷ついたり、生き方に×をされたと感じたりします。

また、年老いた親に対して傷つけることを今更になって、あえてしなくてもいいような気がします。

でも、180度違うことが多々ある

でも、昔と今とでは全く違うこともあります。

歩行器

例えば、読売新聞の医療サイトで過去の歩行器での事故が最近取り上げられていました。

…赤ちゃんの歩行訓練になる。

…歩行訓練を早めるための道具ではない。

筆者が子どもだった頃はどの家庭にも必ずありました。今はそうではありません。“危険すぎる赤ちゃん用品”として海外では禁止されているニュースも話題になっていました。最も先進的なカナダでは、もう10年以上前から歩行器の販売は法律で禁止されているそうです。

虫歯予防

…離乳後の食事は「大人が噛んでやわらかくしてから与える」としていた。

…かみ砕きだけでなく、スプーンや箸を共用することも大人が持つミュータンス菌(虫歯菌)やピロリ菌が感染する可能性があるため、よくないとされている。

日光浴

…日光浴をしないとくる病(ビタミンD欠乏症)になると言われ、盛んに赤ちゃんを太陽の下で日光浴をさせていた。

…オゾン層の破壊から紫外線量が増えたことで、1998年の母子手帳から日光浴の記述がなくなった。

ただし、過度の紫外線対策により子供の『くる病』(※日光浴で得られるビタミンDの欠乏や代謝異常によって骨が石炭化して脆くなる病気)の増加により、日焼けしない程度に外気を浴びるようにと注意喚起もされている。

抱き癖

…泣いたからと言って、直ぐに抱っこすると“抱き癖”が付くのでよくないと言われていた。

…泣いたらすぐ抱っこ。言葉を話せない赤ちゃんは泣くことで訴えている。抱っこしてあげることで、自己肯定感、人に対する信頼感、愛情形成がされる。

自閉症

…テレビに子守をさせていたから、友達と遊ばせなかったから、また、親の愛情不足で自閉症になると考えていた人が多くいた。

“冷蔵庫マザー“refrigerator mother”という酷い言葉もあった。1940年代に自閉症の子を持つ母親たちに対するレッテルとして作られた用語である。「自閉的な行動は母親の冷淡な態度に根ざす」とまで言われていた。

…生まれつきの脳の機能障害である。テレビの見せすぎや愛情不足によって自閉症になることはない。

こうなると、遠く離れた場所に住んでいて、お盆休みやお正月に帰省するだけでしたら、その間、“郷に入っては郷に従え”で我慢してればよいのですが…同居している場合は間違った常識を押し付けられたら、黙っているわけにはいきませんよね。