スーパーマーケット、学校給食…世界の食卓に広まった「アメリカの穀物」

「緑の革命」という歴史的な革命をご存知だろうか? 1940年代以降、ロックフェラー財団の資金提供により行われた“世界の飢餓を救うため”の農業革命だ。これにより、農薬や化学肥料を使って作物の収穫量を増やす、工業的な農業が世界的に広がった。
「プロパガンダですね。世界の食糧危機に対応するために、『この農法を取り入れないと生き残れない』というのは嘘です、完全に。生産量は足りてるのです。大事なところに行っていないだけで、食糧はあまってるのです」
生産性の高いグルテン豊富な小麦もこうして世界中に広まった。そして“ふわふわのパン”となり、日本の国民に“給食”という形で何気なく配られている。
「あまりにもおかしいですよ、学校給食にこのようなものを出しているというのは。…いま、問題になっている化学物質などがどうやって許可されたのか、その大元をたどっていくと、レーガン政権時代にFDAが許可したものに行き着きます(※)。1960~1980年代にかけて、FDAは(安全性が確実とは言いきれないものを)ほぼフリーパスで通してます。ここで許可が下りると、日本の厚生労働省はほとんどフリーパスです」
※レーガン政権時代に行われた規制緩和策により、アスパルテームや牛成長ホルモンの使用、遺伝子組み換え作物(GMO)の商業栽培などにつながった。その背景には「回転ドア」と呼ばれる、政府機関や企業間での活発な人事交流があると言われている
今まで知らされることがなかった、小麦や糖質による危険な“健康被害”
「(化学物質などの影響による)病気が出てくるまでに20年かかると言われていますが…2000年頃から、アメリカでいろいろな病気が出てくるようになり、それがグローバライズされてるんです。アメリカは作物をたくさん輸出してますからね。Ⅱ型糖尿病や肥満が、インドや中国、世界中で増えていてパンデミックになっています。あと10年も経ったら、どうなるでしょう…」
小麦や(遺伝子組み換え)コーン、大豆などの穀物は、国から生産者に対して補助金が出るため価格が安い。しかもすでに生産過剰となっている。それがあらゆる加工品に使われ、コーンシロップとなり、大豆油となり、ジュースとなり、缶詰となり、ケチャップとなり、世界中に輸出されている。
所得格差が深刻な問題となっているアメリカでは、低所得者は1ドルのハンバーガーやスーパーの安い食品を買うしかない。だから貧困家庭ほど炭水化物(糖質)中心の食事になり、それらの食品にはたいてい砂糖や塩、身体に悪い油がたっぷり含まれている。「脳」に必要な良質の脂肪や野菜を食べることができないのだ。
糖質過多の食事は肥満につながる。映画『フード・インク』によれば、2000年以降に生まれた子どものうち、「3人に1人は糖尿病予備軍」だという。糖尿病になると、アルツハイマー病になるリスクが2倍になる。
また、アメリカでは2013年、ADHD(注意欠如・多動性障害)と診断された子ども(4~17歳)の数が、10年前に比べて53%増加。推定で640万人もいるとされ、興奮を抑えるため“薬漬け”になっている。これらの薬を服用することで、さらに精神病になったりなどの“副作用”もある。(しかし、小麦を断つだけで症状が改善することが多いという)
何かがおかしい、と思わざるを得ない。
実質的な小麦の健康被害についても、多くの人が知るべきことなのでは?
「テレビ番組でも、何度も企画に出したんですが…」
“大きなパン屋さん”がスポンサーについていたりするため、テレビでは放送できないらしい。しかし、パン屋さんだってパンを食べる。ぜひ、小麦グルテンの危険性は教えてあげたいものだ。