(長坂代表)ほんとに単純で、専門用語で言うと「利害関係のない善意の第三者」が、復縁したいと思う対象者の中に入り込む訳です。それはどういうことかというと、例えばA子が復縁したいと思ってて、B太郎が別れを切り出した方だとして、じゃあA子の友達をいくらB太郎に近づけたって、B太郎の話は、全部A子に伝わっちゃう訳じゃないですか。
だからB太郎は言葉を選ぶし、本心は明かさない。で、もっと言うと、B太郎はサラリーマンだったら、職場で仕事仲間に上司の悪口を言ったらチクられるかもしれない、とか、それぞれの属する場所によって、利害関係が発生しているので、これは言っていい、これは言ってはいけない、というのがあるわけですよね。で、仕事も、恋愛も、まったく何のしがらみもなければ、別に好きなことを言っても誰に伝わるでもないじゃないですか。で、そういう人間を近づける必要があるわけですよ。一切しがらみのない人間。
それがうちのスタッフなわけですよ。仕事のしがらみもない、業界も違う、趣味もあえて変える。スタッフとB太郎をつなぐものは何もない状況を作ります。
するとB太郎にとってはストレスがない状態になるんですよ。それで、恋愛の話をいろいろ聞き出したかったとして、いきなり恋愛の話を聞き出すんじゃなくて、まず仕事の愚痴だったり、親の愚痴だったり、そういうことを聞きながら、ある程度、この人何話しても何でも的確にアドバイスしてくれるな、とか聞き上手だな、と思わせておいて、今度は女の話にしていく訳です。
そうすると、まっさらのしがらみないかんじなんで、けっこう本心や本音を言ってくれるんですよ。ここに復縁の糸口があったりする。で、本当に別れた理由はこうだった、とか、本当はどう思ってた、とかを洗いざらい聞き出すんですね。全部そこらへんを聞かないと、対策って練れないんですよ。というのも、お前はこういう女だから別れる、っていったその理由だってウソかもしれないじゃないですか。
なので全部まっさらに聞き出して、その上で、じゃあどうしていけばいいのか、っていう作戦を練っていくわけです。
探偵って、どうしても相手の懐に入り込んでいかないといけないわけですよ。
――復縁を望んでいる人に、アドバイスをお願いします。
(長坂代表)やっぱり、復縁をしたいと思う側が、変わらないと無理ですよ。だって、ダメ出しされちゃってる訳じゃないですか。
例えば服にしてもなんにしても、全部変えた方がいいですよ。今まである服全部捨てるくらいの。本当に復縁したいのだったら、ですよ。普段スカートしかはかない人はパンツしかはかないようにするとか、極端に変えていかないと、あと洋服屋に行って、「私これ絶対に選ばないわ」というのを全部選んでいくとか、強制的にそういうふうにやっていかないと。髪の長い人は短くするとかもそうですけど、服から何から全部、「選ばないものを選ぶ」。
そういう風にすると、人間って、知らず知らずに変わっていきますね。どこを変えたらいいかって考えても、実際問題、内面的な部分を変えていこうっていうのは難しいので、だからもう外見から変えてった方がいいです。