男女の愛憎劇について
――よくドラマで見るような「決定的な証拠を掴んで、離婚を有利に運ばせる」というような目的で来られる方もいるんですか?
(長坂代表)いますよ。それはいます。大金をかけても、という場合もありますし、プライドが許さない、とかね。例えば相手が浮気をしているのが本当の理由なのに、あれやこれや、全然家事やってくれないからとか、価値観が合わないから、とか、別の理由を持ってこられて、本当のことを隠して、それで離婚になるのはすっごい許せない訳ですよ。
それは、女性も男性もそうです。あと周りに、離婚する際、説明する時に、この人が浮気したから離婚になるんです、っていうことを、明確に意思表示したいんですよね。
――調査結果を知らせたとき、相手に殴り掛かるとか、取り乱して号泣するとか、そういった修羅場の場面は目にしますか?
(長坂代表)修羅場と言えば、浮気調査で、「いまちょうど一緒にホテルに入っていますよ」って伝えると、そこに乗り込んじゃう人がいますね。たまに。で、「待って下さい、調査中だってことがバレるから。あなたの目的は、本来こうこうでしょ」と、なだめたり諭してもダメ。こっちとしては、結局ホテル入るだけじゃなくて「出」がほしいわけじゃないですか。で、「出」の方が、顔がわかる訳ですよ。
だって、「入り」って、背中じゃないですか。なので「出」の方が大切です。でも、だから絶対待って下さいね、って言ってももう乗り込んじゃう。そういう人ってたまにいます。
それはもう我々、どうしようもないです。
――日々、男女の愛憎劇を目にして、例えば「女って怖いな」とか、「男ってクズだな」とか思ったりしませんか?もしくは人間不信になったりしませんか?
(長坂代表)人間不信とかには全然ならないです。結局そういう方って、素直で、自分のいいところも悪いところも全部さらけ出すじゃないですか。感情的になって。でも人間ってそもそもそういうものじゃないですか。
逆にそういうことを我慢して、全然悩みがないように見せてたりするほうが僕は怖いと思います。どっちかというと、私、何も、悩み事ないしとか言いながら平然と生活してて、充実してて、facebookなんかにも、「今日こんなおいしいもの食べてます」とかいっている人の方がすっごい怖いと思います。
逆にうちに来る相談者の方っていうのは、すごく自分をさらけ出して、人間のいい部分も悪い部分も全部見せてるので、逆に人間らしくて、愛おしくかんじますね(笑)
人間てどうしても我があるものじゃないですか。その個性を抑えずに出してるのが、恋愛がらみです。それによって、その人の我が出てるって部分で、すごく動物的でいいな、と思うんです。