錚々たる映画人が選ぶ珠玉の日本映画!





 12月1日(火)より国立映画アーカイブ(NFAJ)では、上映企画「カルト・ブランシュ 2026」を開催する運びとなりました。このたび、上映作品を選出いただいた4名の選者の方々と選出作品につきまして、お知らせいたします。
 「カルト・ブランシュ」は、映画監督や撮影監督、研究者など、第一線で活躍する映画人に“白紙委任状(Carte Blanche)”を託し、その自由な発想と独自の視点によってプログラムを編成する企画です。
 映画史に名を刻む古典的名作から再評価が待たれる佳作まで、多彩な作品群(28プログラム、29作品)を通して日本映画の多面的で豊かな魅力を紹介。選者によるトークやインタビュー映像を交えながら、各作品との出会いや選定の背景をたどります。
 スケジュールは当館HPで11月上旬に公開します。

選者紹介
 国立映画アーカイブ所蔵の日本映画コレクションから、今回は映画撮影監督の芦澤明子氏、映画研究者の斉藤綾子氏、映画監督の岩井俊二氏、同じく映画監督の黒沢清氏に、自身の映画体験や創作活動、研究テーマに深く結びついた作品を選出いただきました。

芦澤明子[映画撮影監督]



青山学院大学在学中に8ミリ映画の自主制作を始め、大島渚監督『愛のコリーダ』(1976)の撮影監督・伊東英男に師事。1980年代は広告映像の分野で活動し、1990年代以降に劇映画へ進出した。黒沢清監督『トウキョウソナタ』(2008)をはじめ、原田眞人、大友啓史、沖田修一、深田晃司ら多くの監督の作品に参加。自然光を生かした繊細なライティングと静寂の中に不安や緊張を滲ませる映像表現で高く評価され、2026年には第79回カンヌ国際映画祭において「ピエール・アンジェニュー・トリビュート」を受賞した。



●選者コメント
日本映画撮影監督協会(JSC)による「名作上映会」を通じて見つめ続けてきた歴代キャメラマンたちの仕事に光を当てます。大スクリーンでこそ真価を発揮する7作品からは、撮影監督たちによる映像表現への飽くなき挑戦と、フレームの外へとはみ出していく人間の感情や不条理な衝動が浮かび上がります。

●選出作品
『浮雲』(1955、成瀬巳喜男)
『豚と軍艦』(1961、今村昌平)
『飢餓海峡』(1965、内田吐夢)
『無常』(1970、実相寺昭雄)
『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973、深作欣二)
『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973、山田洋次)
『火まつり』(1985、柳町光男)

『浮雲』

『豚と軍艦』

『飢餓海峡』

『仁義なき戦い 広島死闘篇』


斉藤綾子[映画研究者]



明治学院大学名誉教授。カリフォルニア大学ロサンゼルス校Ph.D.(映画学)。フェミニズム映画理論やジェンダー批評の視点からヒッチコック論、ファスビンダー論、アケルマン論、田中絹代論、戦後日本映画のジェンダー+セクシュアリティ、女性監督や女優について論文やエッセイを幅広く執筆。単著に『撮られる女/撮る女』(青弓社)、(共)編著に『映画と身体/性』(森話社)、『映画女優 若尾文子』(みすず書房)などがある。「ふぇみん」で映画評を担当。



●選者コメント
国立映画アーカイブにおける研究調査のための特別映写観覧を通じて出会った作品群のなかから、とりわけ強い印象を残した8作品を選出しました。歴史のなかで周縁化されてきた存在に着目し、差別や抑圧に様々なかたちで抗う人々の姿を見つめた日本映画を紹介します。

●選出作品
『からゆきさん』(1937、木村荘十二)
『煉瓦女工』(1940、千葉泰樹)
『肉体の門』(1948、マキノ雅広)
『赤線基地』(1953、谷口千吉)
『女ばかりの夜』(1961、田中絹代)
『おなじ太陽の下で』(1962、望月優子)
『ここに生きる』(1962、望月優子)
『骨までしゃぶる』(1966、加藤泰)

『赤線基地』

『女ばかりの夜』

『おなじ太陽の下で』

『骨までしゃぶる』


岩井俊二[映画監督]



1963年、宮城県生まれ。1988年より数々のドラマやミュージックビデオ、CF等多方面の映像世界で活動。1993年、フジテレビ『if もしも』の一作品として放送された「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」で日本映画監督協会新人賞を受賞。1995年に初の長篇映画『Love Letter』が公開される。以後も『スワロウテイル』(1996)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)、『花とアリス』(2004)、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016)、『チィファの手紙』(2018)、『ラストレター』(2020)、『キリエのうた』(2023)などの映画を発表。



●選者コメント
気配の映画たち――戦争の気配、敗戦後の気配、死者の気配、血の気配、旅芸人の気配、老いと恋の気配、青春と性の気配――自分の愛してやまない映画にはただならぬ気配がある。
独特な余韻がある。
そんな映画たちを是非!

●選出作品
『陸軍』(1944、木下惠介)
『黄色いからす』(1957、五所平之助)
『はなれ瞽女おりん』(1977、篠田正浩)
『サード』(1978、東陽一)
『ツィゴイネルワイゼン』(1980、鈴木清順)
『ヒポクラテスたち』(1980、大森一樹)
『会社物語 MEMORIES OF YOU』(1988、市川準)

『陸軍』

『黄色いからす』

『ヒポクラテスたち』

『会社物語 MEMORIES OF YOU』


黒沢清[映画監督]



1955年兵庫県神戸市生まれ。立教大学在学中より8ミリ映画を撮り始め、長谷川和彦、相米慎二に師事。1997年の『CURE』で世界的に注目され、2000年の『回路』で第54回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。その後も2008年の『トウキョウソナタ』で同映画祭「ある視点」部門審査員賞、2014年の『岸辺の旅』では同部門監督賞を受賞。2020年の『スパイの妻』は第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。最新作は『黒牢城』(2026)。



●選者コメント
ふと空いた時間に思い巡らし、「これは面白かったな」と頭に浮かんだ映画の中から選びました。つまり、どれも僕の「思い出の映画」です。また、これから映画をつくりたい、あるいはいままさにつくろうとしている人たちにこれらの作品を観てもらいたい、という意識もどこかにあったかもしれません。

●選出作品
『祇園の姉妹』(1936、溝口健二)
『蜘蛛巣城』(1957、黒澤明)
『日本の夜と霧』(1960、大島渚)
『マタンゴ』(1963、本多猪四郎)
『座頭市牢破り』(1967、山本薩夫)
『四谷怪談 お岩の亡霊』(1969、森一生)
『仁義なき戦い 代理戦争』(1973、深作欣二)

『蜘蛛巣城』

『マタンゴ』

『四谷怪談 お岩の亡霊』

『仁義なき戦い 代理戦争』


開催概要
カルト・ブランシュ 2026
(英題:Carte Blanche 2026)
会期:2026年12月1日[日]-12月27日[日] ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)
主催:国立映画アーカイブ
HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/carteblanche202612/
お問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット:詳細はHPをご確認ください。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ