復職や再就職について悩むママが増える一方で、現状は働き方の多様化がなかなか進んでいないようです。

4月から新年度となって子ども達の進学や進級といったライフステージが変わり、より“働く”ことについて考えを深めているママも多いのではないでしょうか?

今回は、ママ向けのプロジェクトに取り組んでいる日本財団の田代純一さんに、「ママの働き方」にまつわる現実、取り組みの実情について話を伺いました。

一方的なアドバイスではなく、“共感の場”作りが必要

田代さんが働く日本財団では、ママの“働く”と“子育て”についての取り組み「ママの笑顔を増やすプロジェクト(ママプロ)」を行っています。
中でも「ママカレッジ」では“ママが学ぶ、ママに学ぶ、ママとともに”をコンセプトに、多くはママ向け講座や活動を行っています。

「例えば4月からステージ(環境)が変わるママが多く、その準備期間である2月3月には心持ちを含めてそれを意識するような講座をいくつかやりました。
復職するにあたり、不安を感じているママに対して先輩ママからのアドバイスがあったり、仕事と育児の両立についても経験者からの話が聞けたり…。
ただ、先輩ママから『不安がなくなるよ』というような話をするわけではなく、『みんな不安があるなかで色んな工夫をしながらこなしているんだよ』といった事を感じられたり、自分の不安を参加者や先輩に話したりできるような“共感の場”づくりを目指しています。」

働けない理由も働きたい理由も、人それぞれ

ポストツリープロジェクト」という田代さんたちが全国で取り組んでいるプロジェクトがあります。これは、葉の形をしたカードにママの“お困りごと”を書いてもらうもので、2年間で1万人分の声が集まったそう。

一番多く集まる“お困りごと”はやはり『育児』。次が『仕事』だそうです。

「地域によって多く集まる“お困りごと”のテーマが違うこともあります。都会だと公共交通機関やベビーカーなど移動についての悩みも目立ちます。仕事については、辞めてしまっている参加者が多いせいか、『復帰』の悩みが多い印象があります。」