「泊まり」で来てもらうとママが熟睡できる

一般より短めな産休を経て、体の負担をできる限り減らしたいという思いから、シッターを活用していたという経沢さん。実際にシッターを活用する際のアドバイスをいただきました。

「睡眠時間をたっぷり確保できないと、産後の体調は回復しづらいですし、仕事にも集中しづらくなります。そのため週2回、シッターに泊まりに来てもらっていました。その日は熟睡できて体力をためておけます」

泊まりで来てくれるシッターの数は多いそう。シッターにとってもまとまった時間で働けて、ママもぐっすり眠る時間を確保できて……と、誰もがハッピーになれる活用法かもしれません。

「一般的には1~3人程度の育児をする女性が大半。そのため子育て経験がある女性でも『育児のプロ』にはなれないんですよね。一方で、保育園・幼稚園などで働いた経験を持つ女性は、育児を熟知しているプロ。

ひとりで育児をしていると、閉塞感をおぼえたり、イライラしたりすることもあるはず。核家族化が進む現代では、身近に相談できる人もいない環境で、虐待も起こりやすくなっています。そんな状況下でプロの手を借りるのは大切なこと。子どもも親以外の大人とコミュニケーションを図れますし、親にも余裕が生まれますから」

シッターのような第三者を「子育てチーム」に加えることで、心にも体にもいい意味での余白ができます。外部の人から与えられることも少なくないはず。

自分のニーズにマッチするシッターが時給1000円~

最後に「キッズライン」のサービスについて教えていただきました。

「人の紹介や紹介サービスを頼ると安心だけど高い。一方で、自分で探すと安いけれど『来てくれなかったらどうしよう?』と不安になることもあります。その『中間』をキッズラインで実現したいと思い、サービス立ち上げに到りました」

ウェブサービスのため登録~利用まで高いハードルがなく、シンプルな手順で使えるキッズライン。Facebookアカウントを通じて登録すれば、キッズラインの抱える約40人のシッターの中から時給や勤務日・時間、資格保有状況などのさまざまな項目から、ニーズにマッチするシッターを選べます。

「シッターがどんな人なのか印象が伝わりやすくなるよう、写真を多用しているのが特徴です。経歴や自己紹介、シッターをしている理由、実際に利用した方の口コミなど、利用される方が気になる情報も網羅しています」

既存のサービスと違う点は他にもたくさんあります。登録当日からシッターを手配できたり、中間マージンがないため料金が安かったり、クレジットカードでの決済だったり、領収書が発行されたり……と魅力がいっぱい。

「英語や音楽などのスキルを持ったシッターも増えているので、家庭教師を呼ぶ感覚に近いかもしれません。週1~2回預けてみてはいかがでしょうか? また、シッター活用は夫婦間のコミュニケーション時間を確保する有効な手段でもあります。週末の2~3時間シッターに子どもを預けて、パートナーと食事に出かけるなどして、じっくり話す時間を作っておくと、家族の絆も深くなっていくはずです」

【経沢香保子さんプロフィール】

株式会社カラーズ代表取締役社長。新卒でリクルートに入社し、創業間もない楽天で楽天大学を設立後、26歳自宅でトレンダーズを創業。30代で3回の出産・育児、2012年に東証マザーズへ当時最年少女性社長での上場を経験。『ワイドスクランブル!』等のコメンテーターとして各メディアで活躍、著書多数。ブログも更新中。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。