最近では、テーマパークに連れて行っても、遊び方がわからなくて棒立ちになってしまう子どもたちが増えてきているのだそうです。「子どもは放っておいても勝手に遊ぶ」という常識は現代では通用しません。

遊ぶ方法を知らない子どもたち。遊ぶためには想像力が必要なのですが、どうして子どもたちは想像力が低下していったのか、元心理カウンセラーとしての観点から、今回は子どもの心と遊びの関係性を解説していきましょう。

子どもが公園で遊べなくなった経緯とは?

現在、子どもたちの遊び場であるべき公園が変化していきつつあります。怪我をするから、という理由で遊具は取り払われ、近所迷惑にならないようにボール遊びは禁止され、食べた後のごみで公園が散らかるからと、公園は飲食禁止に。

まだまだ禁止事項はいっぱいあります。公園だというのに、「大きな声で騒がないようにしましょう」なんて看板もありました。5月7日のフジテレビ『とくダネ!』で「禁止ばかりで子どもたちが公園で遊べない・・・増え続ける看板の理由とは?」というテーマでも、取り上げられました。

とくダネスタッフが、これらの禁止看板を立てる理由を役所に問い合わせたところ、何かあった時に役所が責任をとれないから、禁止看板があると注意しやすいから、といった回答を得たのだそうです。

スポーツクラブは公園の代わりにはならない?

家や公園の木陰でお友達とゲームをする子どもが増えていった背景には、本来子どもの遊び場である公園に禁止看板が多すぎて、遊ぶ場所が無くなったという現実があるようですね。

これは子どもにとっては大問題です。外で自由に遊ぶ場所を失うと、子どもたちは運動不足になり、肥満になりやすくなります。その防止策として、子どもに運動をさせるために、スポーツクラブに入れる親たちが増えているのだそうです。

しかし、スポーツクラブでは、監督がスポーツに勝つために合理的なデータをもとに、子どもたちの運動技術の向上のために指導しています。確かにスポーツクラブは、強い精神と肉体、規律、集中力、忍耐力を養う上では、子どもの将来にプラスとなることは間違いありません。その一方、運動能力の高い選手だけが評価される競争社会でもあります。

また、スポーツクラブの環境では、監督の指導に従って、その技術を一心に習得していくのですから、自分よりも運動能力が低いお友達の気持ちや立場を理解し、そのお友達と一緒に頑張って勝ち負けよりもお友達ができるようになることを気にかけるような慈悲や思いやりのチャンスは生まれません。これでは運動能力の低い子どもにとっては自信をなくす場所にしかなりません。