休憩中に「バタ足」で気軽にリフレッシュ

手順

  1. イスかソファに座り、両方の足を宙に浮かせて上下にバタバタさせる。

※1、2分程度続けます

ポイント

特にコツというほどのものはない超簡単なトレーニング法です。加藤さんが開いている健康講座でも、「続けています」という声が最も多く聞かれる運動なのだとか。

加藤「運動不足の人は、足の血流が戻りにくくなり、代謝が悪くなっています。そのため、下肢の冷えやむくみを感じることも。

座って足をバタバタさせるだけで、血流がよくなり、代謝アップも期待できますし、足の疲労取りにもなります。ついでに手を前や上に上げてブラブラさせると、同時に体幹のインナーマッスルのトレーニングをすることもできます」

最適なシーン

テレビを見ながら。ちょっとしたスキマ時間や待ち時間に。

散歩や買い物途中に「腕振りストレッチ」

手順

  1. 歩きながら、大きく(45度くらいの角度まで)腕を振る。
  2. 後ろに振る際に、腕をひねるようにしながら、手の平を後ろに向ける。

※20歩~30歩の間、腕を振って歩きます

ポイント

実際に腕を振ってみるとわかりますが、通常、前より後ろの方が腕が上がりにくいもの。

ひじを真っすぐに伸ばし、特に、後ろに腕を振る動作を意識しながら行いましょう。前側へは、後ろに腕を振った反動で自然に戻る程度に振ればOK。

加藤「かかとの上げ下ろし、スクワット、バタ足の3つは主に下半身の筋肉を刺激する運動ですが、この腕振りストレッチは、上半身を使うトレーニングです。

子育て中のママには、抱っこのしすぎで『二の腕が太くなっちゃった』という人も多いのですが、実は抱っこでは深い部分の筋肉までは使えていないので、筋肉の付き方がアンバランスで疲労もたまりやすいんです。

歩きながら腕を振ると、二の腕をシェイプすることができる上、肩甲骨が動きやすくなり、背中のシェイプアップや肩こり予防にもつながります」

最適なシーン

散歩中や買い物に行く途中、通勤途中など。

加藤「『あの信号まで腕を振って歩こう』というように、目的地に着くまでの間に何度か実践するといいですよ」

以上、健康運動指導士の加藤有里さんが教える、運動不足のママのための4つの“ながら運動術”を紹介しました。

長く健康をキープするには30代40代で運動して体力を養っていくことが大切、というのは先述の通り。しかし、ママが日常的に運動を心がけた方がいい理由はそれ以外にもあるようです。

加藤「今、子どもの運動量は二極化していて、活発に動く子がいる一方で、ほとんど動かない子も多いことが問題となっています。運動量の少ない子の場合、将来の健康が気がかりですよね。親が日常生活の中で活発に動く姿を見せておくと、子どもの運動量も自然に増えると思いますよ」

“ながら運動法”なら、時間のないママでも、心がけ一つで簡単に取り入れられます。自分自身のためはもちろん、子どもの将来のためにも、日常生活の中で継続的にしっかり体を動かして、体力アップを目指しましょう。

【取材協力】加藤有里さん

健康運動指導士。「一般社団法人ケア・ウォーキング普及会 」上級指導員。健康経営エキスパートアドバイザー。日常動作改善「姿勢や歩き方を正しく意識すること」を主に、自治体の健康づくり・生活習慣病予防(メタボ・ロコモ)・介護予防講座をはじめ、企業セミナー、各種健康講座で講師として活動。

出産、子育ての経験を活かし、妊娠中・産後のママのための教室や、ママパパと子どもがいっしょにできる運動講座の開催、スポーツシッターとして子供への運動サポートを実施。最近では、【足育】という観点から、赤ちゃんから100歳まで足・靴の大切さを伝える活動も行っている。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。