『転校生』はいろいろな見方ができる、何度も見てほしい舞台

――ところで、本番が間もなくですが…(注:インタビューは本番8日前)。

伊藤沙莉:わー、心臓えぐれそう。

堺:えー、そこまで?(笑)

芦那:でも早く始まってほしい気もしない?

伊藤優衣:あ、それ分かる。でも、今の状態じゃなく、まだ何かあるっしょ、みたいな。

永山:お芝居では動きも計算しなくちゃいけなくて、それと合わせていかに普段の会話をしているのと同じように見せるかが大変で。

石山蓮華:ここでこの子のお芝居を見せたいっていうところもあるし。

永山:たぶん、演技の拠り所がみんなにある芝居だと思います。

伊藤沙莉:演劇っぽいコメント!私には言えない言葉だわ(笑)。

――では、もうお時間だということなので…。

伊藤沙莉:あー、あと5時間ぐらいしゃべれる。

――じゃあ残りは別の機会に伺うとして(笑)。お一人ずつ舞台にかける意気込みなど、何か一言お願いします。

芦那:今は青春時代を取り戻しているような気がしています。本広さんは子供から年配の方まで楽しめる作品を目指してると思うので、いろんな人が来てくれたらいいなと思います。

石山:この稽古場は行くまでの道のりから、お芝居をやってる時まで毎日本当に楽しいので、そういう想いを表現したいです。あと、うねりのある作品なので、それも感じてもらえるように頑張ります。

伊藤優衣:今回の舞台では1人の女優として大事にされていて、それに応えなくちゃいけないなと思ってます。いろんな楽しみ方ができる作品だと思うので、観客の皆さんにも好きなところを見つけてほしいなと思っています。

伊藤沙莉:『幕が上がる』の千秋楽にムロツヨシさんから「今日でこの舞台でこのセリフが言えるのは最後だから、全部重く深みを持ってやりなさい」と言われたんです。そういうふうに一つ一つを大事にしながら、「役者だな」と思ってもらえるように頑張ります。

堺:『転校生』はセットや演出が他の芝居とはかなり違うので、観客の方一人一人が違う見方ができると思います。なので、見に来ないと損するよ(笑)。私も観客席から観たいぐらいなので。

永山:脚本は女子高生の日常を描いた作品なのですが、その中には生や死という大きなテーマがあって、1回観ただけでは気づかない情報量がいっぱいあると思います。是非2度3度と足を運んで下さい。

――楽しみにしてます。今日はありがとうございました!

『転校生』
公演日程:2015年8月22日 (土) ~2015年9月6日 (日)
会場:Zeppブルーシアター六本木
脚本:平田オリザ 演出:本広克行
出演:逢沢凛 秋月三佳 芦那すみれ 生田輝 石山蓮華 石渡愛 伊藤優衣 伊藤沙莉 今泉玲奈 折舘早紀 川面千晶 堺小春 坂倉花奈 桜井美南 清水葉月 多賀麻美 永山香月 藤松祥子 南佳奈 森郁月 吉田圭織 (50音順)

ストーリー:ある高校の教室。女子高生たちの一日が始まる。他愛のない会話と共に…。
それはいつもと変わらない教室の風景。そこへ「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う、転校生がやって来る。…他愛のない日々の会話の中に彼女たちの日常と社会への好奇心、あるいは大人達への不信感、将来への不安を垣間見る作品です。
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会社員からテレビ番組やDVDなど映像関係の英日翻訳者を経てライターに。 ハーバルセラピスト、アロマセラピーアドバイザーの資格あり。子供の頃からお笑い好きで、当時読んだ「落語全集」は宝物。でも、なりたかったのは落語家ではなく小説家。今、こうして文章を書いて人に伝える仕事をしていることに喜びを感じてます。