「あんたも毎日食べれば若返るよ」と言いながら豆花をよそう『城中豆花』の女将

台湾発祥のおなじみスイーツといえばマンゴーかき氷。日本にも進出し、日々行列ができるほどのフィーバーを起こしたことはまだ記憶に新しい。

本場のマンゴーかき氷を求めて台湾旅行を計画する女性も多いようだ。

そして、このところじわじわとブームなりつつあるのが豆花(豆乳プリン)。

東京や大阪に専門店がオープンし、すでに豆花(ドウホァ)という名前も定着しつつある。

今回は台北で食べたい本場の豆花3選をご紹介しよう。

フォトギャラリー豆花(ドウホァ)の写真、店の外観を写真でさらに見る
  • 『城中豆花』のある城中市場の向かいに位地する台湾省城隍廟
  • 『杉味豆花』の仙草(薬草ゼリー)
  • 『龍潭豆花』の近くにある公館駅の真上にある水源市場の外観
  • 『城中豆花』の豆花
  • 『城中豆花』のある城中市場。入口で果物屋さんが手招きしている

豆花とは?

『龍潭豆花』の冷たい豆花

豆花は、大豆から作った豆乳にサツマイモ粉などを混ぜて加熱し、プリンのように固めたもの。カスタードプリンやきぬごし豆腐よりもさらにやわらかく、水分が多い。

中国本土でも広く食べられている伝統スイーツだが、台湾で独自の進化を遂げてきた。中国北部では塩味にアレンジされたり、四川や重慶では辛くアレンジされたりと食べ方はさまざま。

台湾では豆花にたっぷり甘いシロップをかけ、煮豆や白玉などをトッピングして食べるのが主流。

かつての台湾では、毎朝笛を吹きながらやってくる豆花売りを、小銭を握りしめて追いかける子供たちの姿がよく見られたという。

シンプルでほんのりと甘い素朴な豆花が、今でも老若男女を問わず台湾で愛され続けているのは、そんな歴史があるからだろう。

だが、そんな素朴な姿の豆花は、台北ではあまり見かけなくなっている。

昨今の豆花店では、ガラスケースに何種類もの煮豆やタピオカなどがずらりと並んでいて、トッピング3種で○○元、というのが主流だ。

こうなると、客は同じ値段ならば、と色鮮やかなトッピングをたっぷりのせたがる。トッピングのない、シンプルな豆花は徐々に選ばれなくなってきた。

『龍潭豆花』(公館)

『龍潭豆花』最寄りの公館駅の真上にある水源市場。ランチは大変なにぎわい

公館という学生の街にある『龍潭豆花』は、伝統の味と売り方を守り続ける店のひとつだ。シャッターのない車庫のような殺風景な空間に簡易テーブルがいくつか。

メニューは、「ホット」と「アイス」の2つだけ。豆花は冷たくしても、あたたかくしても食べられるところが魅力だ。夏はアイスで涼を取り、冬はホットで心も体もあったまる。

『龍潭豆花』の冷たい豆花はシャリシャリとした氷がほどよく混ざっていて、やわらかく煮たピーナッツがトッピングされている。シロップは甘すぎず、豆花やピーナッツの味をよく引き出してくれる。

公館エリアは水源市場をはじめとする学生向け安旨グルメの中心地。行列ができる肉まんやタピオカミルクティーの店も集まっていて、食べ歩きにはもってこいだ。朝ごはんやランチの合間に豆花で口をさっぱりさせるのもいい。
 

『龍潭豆花』(ロンタンドウホァ)
台北市汀州路三段239號 11:00~22:00 月曜休
 

『杉味豆花』(雙連)

『杉味豆花』の豆花は具だくさん


2018年12月、台北西側にあるちょっとディープな延三夜市から雙連エリアへと引っ越ししてきた人気豆花店『杉味豆花』。

 

延三夜市で17年続いた店ということもあり、移転を惜しむ声もあるが、日本人旅行者にとってアクセスのいい雙連エリアでのオープンはうれしい限り。

 

『杉味豆花』の豆花はやや甘めでトッピング盛りだくさんの女子向けスイーツ。とはいえ、煮込まれたタロイモやサツマイモはヘルシーで、シロップの甘みもくどくない。

ピーナッツ、蓮の実など台湾ならではのトッピングもやわらかく煮込まれていて食べやすい。

主役の真っ白な豆花は驚くほどやわらかく、のどごしはつるんとしていて、すがすがしい。ボリュームがあるので2人で分けても十分に楽しめる。

『杉味豆花』の仙草(薬草ゼリー)

豆花だけでなく、仙草と呼ばれる薬草のゼリーやタピオカミルクティーなどメニューが豊富なので、あれこれ迷ってしまう。

MRT淡水線の雙連駅周辺には、朝市とその周辺の路地に美味しいものが集まっている。

この近くに移ってきた『杉味豆花』なら、食後のデザート利用にちょうどいい。数人で訪れるならぜひいろいろな種類を頼んで食べ比べてみてほしい。


『杉味豆花』(サンウェイドウホァ)
台北市民生西路172號 11:00~0:30 無休