ゲームが良い影響を与えることも
「ゲーム好きな子は運動と勉強が苦手で友達も少ない」――そんな先入観を、現代の研究結果は支持しているだろうか?
『スーパーマリオ』30周年とほぼ同時期に掲載されたウェブ記事では、海外の複数の研究に基づき、「ゲームがうまい子供は知能が高い」「ゲームにより運動能力も向上する」場合があることを示した。
いくら能力がアップしても視力は確実に悪くなるのでは?と思われる人もいるかもしれないが、近年の研究では「ゲームと視力低下には因果関係が認められない」とする説が出ているようだ。
また、国立国会図書館の情報ポータルサイト「カレントアウェアネス・ポータル」は、テレビや漫画、テレビゲームなどが子供に与える影響について、多くの研究結果をまとめて公開している。
ボリュームが多いため、以下に要点だけ引用する。
【良い影響】
・テレビゲーム使用が空間視覚化や情報処理能力を高める
・テレビゲーム使用が社会的不適応を低減する
【好ましくない影響】
・テレビゲーム使用は攻撃性を高める
・テレビゲームの中でより単純で思い通りにしやすい登場人物と付き合うことで,現実の人間関係を築く機会や意欲を失い,人付き合いができなくなるといったことがある
このように、ゲームの影響について肯定的・否定的どちらの側面も報告されている。
社会性が上がる、下がると正反対の研究結果が出ていることから分かるように、この分野もまだ発展途上にあるようだ。
なおゲームに触れる時間に着目したイギリスの研究によれば、プレイ時間が「1日1時間未満」のグループは生活上の満足度や社会性が高く、「1日3時間以上」だと逆の傾向が見られたという。
「全体としてゲームの影響は小さい」と補足されているものの、なかなか興味深い研究結果である。
ファミコン世代のカリスマ・高橋名人による名言「ゲームは1日1時間!」は、最新の学術研究と照らし合わせても正しかったと言えそうだ。