飯田 では、マリオのキャラクター性については、どのような印象がありますか?
養老 マリオというよりゲーム全体の雰囲気が明るいよね。陽気なものはだれでも楽しめる。マリオよりずっとあとだけどさ、怖いゲーム出たじゃない。『バイオハザード』。あれは1人じゃできないもん(笑)。
飯田 養老先生は『バイオ』もやられるんですか?
養老 娘がやってて、手伝わされた。僕が娘に唯一尊敬されたのは、『バイオ』のモンスターをやっつけたことなんだよ。そんな思い出もある。
同じゲームとは言っても『マリオ』は明るい。何か新しいことが始まるときに、この底抜けな「明るさ」があるのはとても大切なことだと思うね。その「明るさ」で、テレビゲームは現在ほどの市民権を得られたんだよ。
飯田 『マリオ』の背景は、レンガ造りでヨーロッパ的な雰囲気にも思えます。さらに画面全体に原色が多用されています。もちろん、こうした表現は当時のファミコンのスペックからの制限が大きいと思うのですが、それにしても空が青い! 太陽が降り注ぐ地中海的なムードを感じます。特に『スーパーマリオ64』『スーパーマリオサンシャイン』なんかは、その明るいイメージがより強くなっています。
養老先生は初代『スーパーマリオ』以降の作品もプレイされてますか?
養老 今うちにあるのは『スーパーマリオギャラクシー』。しかし、あれは全部クリアするのはとても無理だね。
飯田 横スクロール時代のマリオと比べて、3Dのマリオには違和感はありましたか?
養老 ないない。構えることなくスッと入っていけた。でも、Wiiリモコンになってから、僕は踊っているってよく人に笑われてましたよ。ゲームプレイ中に身体が自然に動いちゃってね。