子どもの将来のため、5歳までに“親が意識”すべきこと
実は、この「ひとりでいられる能力」は、わりと早い段階で開発されているようです。
同書で紹介されている小児科医で児童分析家であるウィニコットさん(イギリス)の分析によると、この能力は乳幼児期(5歳まで)に開発されるとのこと。
生まれたばかりの赤ちゃんは、誰かが側にいないとすぐに泣いてしまいます。また、お腹が空いたり、おむつが不快になると、泣いて親に訴えかけます。そうやって何かがあった時に助けてくれる人がいることを理解すると、安心して“ひとり遊び”をするようになります。
子どもの一人あそびは、完全に周囲を遮断するわけでなく、どこかで親の存在を感じつつ、その上で好奇心をもってひとり遊びをするようになるのです。自主的に自身と対話しながら遊ぶ時間。これこそ「ひとりでいられる能力」です。
そこでの親の対応がポイントだと酒井さんは指摘しています。
というのも、ようやく子どもが手を離れて自分の時間が取れると安心し、テレビやビデオ、ゲームなどの環境を与えてしまっては、これは子どもにとって親から「遊ばされている」ことになり、自分自身との対話にはなり得ません。
大切なのは自ら能動的に「遊ぶ」こと。その経験から、ひとりでいられる能力が身につくのです。お絵かきだったり、積み木だったり、人形遊びだったりがそれに該当するでしょう。
可愛い子どもをみていると距離を取ることは親としては複雑な面もありますが、そこは子どものためを思って干渉せずに、かつ、子どもが十分に安心して遊べる環境を整える必要があるのです。
「一人でいることを怖がらない子どもになること」。意識してみてはいかがでしょうか。