戦隊ヒーロー、仮面ライダー、プリキュア……"ニチアサ"作品全てに出演した出演者さん
このように、"ニチアサ"という枠の中で、実写とアニメ、俳優と声優という枠を超えて、多様な役柄を演じられている出演者の皆さんですが、中には戦隊ヒーローと仮面ライダーとプリキュア、全てのシリーズに出演したことがあるという……"ニチアサグランドスラム"達成者とでも呼ぶべき凄い方もいらっしゃいます。
その一例を紹介させていただきますと、先ほど、お名前を挙げさせていただいた沖佳苗さんは、『仮面ライダー響鬼』に顔出しで、『仮面ライダーキバ』には声優として、それぞれライダーシリーズへの出演経験もあり、ニチアサグランドスラムを達成。ちなみに、沖さんは大の特撮ヒーローファンとしても知られる声優さんです。
『ドラえもん』のスネ夫役でお馴染みの関智一さんは、戦隊ヒーローと仮面ライダーシリーズで幾度も怪人の声を担当しており、プリキュアシリーズの原点である『ふたりはプリキュア』では妖精メップル役として出演し、ニチアサグランドスラム覇者に!
同じく、『ふたりはプリキュア』出演者で、キュアホワイト(雪城ほのか)役を演じたゆかなさんは、『仮面ライダーオーズ/OOO』のメズール役と『天装戦隊ゴセイジャー』の女王蜂のイリアン役で、ニチアサ作品を全制覇。
他にも、小杉十郎太さんや高木渉さん、石田彰さんといった錚々たる声優さんが、ニチアサグランドスラムを達成しています。
また、『仮面ライダーキバ』で仮面ライダーサガ(登太牙)役だった山本匠馬さんは、ライダー出演後にアニメの声優としても活動されており、『ハピネスチャージプリキュア!』のブルー役で、プリキュアシリーズにも参加。あとは、戦隊ヒーローに出演を果たせば、ニチアサグランドスラム達成者となります。
山本さんのように、ニチアサ全シリーズへの出演にリーチが掛かっている俳優さんや声優さんもいますし、この辺りは多少マニアックながらもなかなかに楽しめるポイント!
戦隊ヒーローに比べると、怪人の声をアニメ作品を中心に活動されている声優さんではなく俳優さんが演じることが多い仮面ライダーシリーズに出演することがグランドスラムへの鍵といえるでしょう。これからも、様々な演者さんにニチアサ枠内の番組を越えた活躍をして欲しいですよね。
特撮とアニメ、三次元と二次元を行き来する……それも、ニチアサの魅力!
このように、実は非常に距離が近い特撮ヒーロー番組とアニメ作品。特撮俳優とアニメ声優さん。ニチアサを振り返ってみると、出演者を軸にして興味深い見どころが色々と見えてきます。
考えてみれば、昔の特撮ヒーロー番組は、オールアフレコで撮影を行うケースが大半で、現在でも変身後のスーツアクター演じるヒーローに出演俳優がアフレコで声をあてています。つまり、一般的なドラマや映画に比べても、「声だけで演じる」「キャラクターに声をあてる」という"声優"的な演技が特撮俳優には要求される場面が多いのです。
また、ミュージカル版の『テニスの王子様』のような所謂"2.5次元"系の舞台作品を経験している特撮俳優の方も多数いらっしゃいますし、"三次元"と"二次元"の境界線が曖昧で自由度の高い文化圏だともいえます。
この辺りが、特撮出身の俳優さんが、アニメ作品での声優としても違和感を感じさせない親和性の高さにも繋がっているのでしょう。
更に、近年は、特撮ヒーロードラマもアニメファン、声優ファンへのファンサービスとして、積極的に人気声優をキャスティングしているという点も両者の接点を数多く生み出し、ボーダレス化が進む理由の一つとなっているように思います。
子どもたちを楽しませるのは勿論のこと、"大きなお友達"である大人の目線から、こういったディティールを見ても楽しめるニチアサ。子どもも大人も惹きつける本当に素晴らしいエンターテイメントですよね!