しかしどうしたことか、流行の最先端を行っていた格好ほど、ふりかえると恥ずかしいという……。自分史上最強だった頃を現代で再現するのは、とても危険度が高い行動なのです。

20代と40代とで服のサイズが変わった人は踏みとどまれるのですが、危険なのは体型に大きな変化がないまま年齢を重ねてきた、痩せ体質の人。

「入る!!」

その圧倒的な喜びに押し流されて、自己判断が甘くなりがち。

サイズが入るかだけではなく、今の顔と釣り合うかどうかを確かめましょう。ほとんどの場合、思い出の服は思い出の中で最も輝いているという気がします。当時の顔に最高に似合っていた服を、今着る必要はないのではないかな、と。

「戻る」のではなく、今の自分として生きるほうがずっとハッピーですしね。

「定番アイテム」はアップデートしよう!

ところで、「流行にこだわるからイタい目見るんじゃないか。時代や年齢を問わない、定番の服を着ていれば安全だ」と考えていませんか?

ここで少し、筆者自身の体験をお話しさせてください。

先日、私も衣類の断捨離を行なっていたら、クローゼットの奥から「憧れのミア・ファロー(女優)みたい♪」と思って手に入れた、古いトレンチコートが出てきたのです。トレンチはもう定番化しているから、流行廃れに関係なく着られそうだと、嬉々として袖を通し外出したんですけどね……。

ショッピングをしていてコート売場に接近すると、新作のトレンチコートがズラリ。「わ~い、そっくり~!!」と思いながら近寄ったその瞬間、似てなどいないこと、自分がいかにも古ぼけてぼんやりした感じに見えることに気づいて、愕然。

生地の撥水性が違うのは一目瞭然。おなか周りがゆるんでいて、体の線がたるんで見えます。新作との差はあまりにも歴然としていて、遜色ありすぎ!

その時、スタイリッシュな感じの店員さんが「何かお探しですか?」と親切に声をかけてくれたのですが、最新のファッションを見慣れているかたの前で褪せたコートを着ていることが、私は顔面から発火しそうに恥ずかしかったのでした。

定番も進化しています。むしろ、定番こそ新調すべきです。
流行に躍らせられないからと言って、自分の輪郭がぼんやりして見えるような旧定番をずっと着続けるのはNG。

レトロでシックな女子を気取ったつもりが、ただのズボラ女にならないよう要注意だ!

いかがでしたか? だいたいにおいては処分したほうが賢いようです。モノに縛られていること自体がおしゃれとは言いがたいですしね。時代を経ても魅力的であり続けるものというのは、服装ではなくもっと精神的な部分で残っていくのかもしれません。

今のあなたをもっと素敵にするための断捨離が、どうぞ順調に進みますように。

女性の生きにくさをちょっぴり軽くするコラムニスト。医療従事者向けの情報サイトでメディカルコミュニケーターを勤めたのち、『OKGuide』にて読者のあらゆる疑問・お悩みを解消に導くガイド記事を提供している。今や絶滅寸前の女子短大卒。