作家オリビエは、何よりも自分が一番好き
今回の展示会は、オリビエさんにとっての日本初個展。ご本人にお話しをお伺いすることは叶いませんでしたが、会場のヴァニラ画廊のスタッフの方よりお話をお伺いすることができました。
――オリビエさんの日本の個展に至った流れについて教えて下さい。
元々ヴァニラ画廊のスタッフの1人が貴重なオリビエさんの写真集を持っており、展覧会をやりたいと言っていました。そして、去年オリビエさんが住むフランスで、ヴァニラ画廊として展示会を行った際にコンタクトを取り、その結果、今回の個展が実現しました。
――オリビエさんの作品はどの様に作られているのでしょうか。
ご自身で作りたい作品のセットを作ってから、自分の撮影をしてコラージュしています。そして、写真はデジタルカメラではなく、全てフィルムカメラで撮影されています。印刷もシルバープリント(銀塩写真)にこだわって刷られています。
――ヴァニラ画廊さんが考えるこの作品展の意義は何だと思いますか?
ヴァニラ画廊では自分の根底が揺さぶられる表現を大事にしています。そのため、特徴のある、独特な作品を作っていらっしゃる方をピックアップして呼んでいます。
彼(オリビエさん)の場合は、バービー人形を使って美術作品として仕上げているためピックアップしました。
――オリビエ・ルビュファのヤバいポイントやこだわりは何ですか?
一見してバービー人形が作品のメインである様に見えますが、彼の恐ろしいポイントは自分自身が一番好きなことだと思います。ナルティシズムが投影されていることと、バービー人形の見た目のキャッチーさがこだわりなのではないかと。
彼は人形の世界に入り込んだ自分を残したいと思って、作品を作ってきました。
また、世には「ハーレムを作りたい」と思ってやっている方もいるとは思うのですが、彼がフェティッシュなのはバービーなどの人形を使っているということだと思います。