子どもと別居の親との面会交流を許す

別れても子どもの親であることには変わりません。子どもが望まない場合をのぞいて、定期的に面会交流はさせましょう。

日本人による離婚を描いた絵本『あしたてんきになあれ』では、最初はパパに子どもたちを会わせることに乗り気でなかったママが、じょじょにパパとの面会を許してくれて、子どもたちが喜ぶ様子が描かれています。

スウェーデンの絵本『パパはジョニーっていうんだ』には、別れて住むパパとの久しぶりの面会を心から楽しむ少年が出てきます。

2人で映画をみて、ピザを食べて、図書館に行って…そして日が暮れて、別れの時が近づきます。

主人公のパパ大好きという気持ちと、それでも普段は別れ別れで生活しなくてはいけないということがわかっている気持ちは相反するものではなく、どちらも本当のものです。

しんみりした場面はほとんどありませんが、少年のせつなさが伝わってくるステキな絵本です。

ママにとっては、もう二度と顔も見たくない相手かもしれませんが、そういう場合は、ムリに間に立たなくてもいいのです。

第三者機関(支援団体)を利用すれば、子どもの送迎、引き渡し、面会交流の見守り、連絡調整など、すべてを代行してくれる場合もあります。

子どもに聞かれたことには答える

離婚に関して子どもは、親に気を使って、聞きたい事があるのに聞けないこともあるようです。ですが、聞いていけないことなど、本当ならないはずなのです。

子どもがすっきりしない顔をしていたら、なにか聞きたいことがあるのではないか、とちゃんと話ができる場をつくってあげることが大事なのですね。

また、子どもが小さいからといって、別れた相手のことを死んだと説明するなど、後から子どもが知ったら傷が倍にもなるような嘘はつかないようにしましょう。

すべきでないこと

相手の悪口を言わない

離婚をきちんと伝えることは親の義務ですが、親の争いに子どもを巻き込むことはしてはいけません。

つい、相手のいないところで子どもに愚痴りたくなる気持ちもわからないではないですが、それはフェアではありませんし、なにより子どもが戸惑ってしまいます。

両方の親がいて初めて自分がいる、というのがベースなのですから、片方の親の悪口をもう片方の親から聞くことは、自分のアイデンティティーに自信が持てなくなってしまいます。

謝りすぎない

離婚をしたことを気に病んで、いつまでも子どもに悪いことをした、と悔やむのは、親の精神衛生上によくありませんし、子どもにもいいことはありません。

子どもに謝ってばかりいると、子どもは自分ってそんなにかわいそうなのか、と思い始めます。親がネガティブに物事をとらえれば、それはそのまま子どもにうつりますからね。

お金の心配をさせない

離婚して、以前よりも生活が厳しくなる家庭も多いかもしれません。ですが、お金がないことを理由に、子どもがしたいことをあきらめさせるのはかわいそうです。

仮にすぐにはできないことでも、どうしたら実現可能になるか、また、できなくてもちゃんと誠実に子どもと話をすれば、子どもはわかってくれると思います。

なによりも大事なこと

親が離婚していようがいまいが、一緒に住んでいようがいまいが、なによりも大事なことは、子どもがしっかりと自分が両親から愛されていると感じられることです。それはそのまま、子どもの自己肯定感の育ちにつながるでしょう。

離婚に至るまでは、自分のことでいっぱいいっぱいだった親が、離婚して子どもに愛情を注げる余裕を持てるようになるのなら、離婚は決して悪いことではないかもしれません。

世の中には、離婚には至らずとも、いがみ合っている夫婦や、冷めきっている夫婦は多くいます。

どんな結果になろうと、「離婚はこれからみんなが幸せになるための選択」だと、みんなが納得してのことなら、きっと乗り越えられることなのだと思います。

<参照>厚生労働省 平成30年(2018)人口動態統計の年間推計

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