家庭の中では会話も触れ合いもない生活を続けながら、夫婦の形だけを守っている仮面夫婦。

最初からそれが普通だったのではなく、愛情がなくなっていく時間の積み重ねが迎えた結果が“無関心”です。

実際に仮面夫婦となるきっかけにはどんな瞬間があったのでしょうか。

「子どもの看病は妻の仕事」とこちらのことを考えてくれない

「夫のことを本気で嫌になったのは、子どもが感染性胃腸炎になり何日も休んだとき。

私もパートで働いているのに、こっちの都合は何も聞かずに朝は当たり前のように出勤していき、お昼に「子どもの様子はどう?」って尋ねてくる夫には怒りしかありませんでした。

欠勤が3日続き、『これ以上休むと首になるかもしれないんだけど』と言ったら、『俺も休めないんだけど。ていうか、子どもの看病は母親がすることだろ? 何とか会社に話してみれば』と返ってきて、怒りを通り越して冷たい感情しか残りませんでしたね。

それ以来、病気のときは自分の実家を頼って夫には相談しなくなりました。家では適当に合わせて会話はしますが、笑顔は出てきません」(36歳/経理)

子どもが病気になったとき、「看病は妻のすることと」と一方的に決めつける夫の話はよく耳にしますが、3日も欠勤すれば職場で肩身の狭い思いをするであろうことは、想像できるはずです。

そんな妻の立場を考えずに自分の都合だけを押し通す夫と、「どんな会話を楽しめっていうの?」。

家でも外食でも「子どもの世話は妻がやること」

「子どもが産まれたときから、赤ちゃんの世話は私が中心にやってきました。

それが当たり前だと思ったのか、夫は食事中の自分が食べることが優先で、私がひたすらふたりの子どもの世話をしていてもまったく手伝おうとはしません。

『おい、おかわり』と茶碗を差し出されたときはさすがにカチンときて『見ればわかると思うけど、手が離せないから自分でやって』と答えたら、しぶしぶやっていたけど、外食しても同じような感じで私のご飯はどんどん冷めていくばかり。

それでも自分が食べ終わったら新聞を広げて子どもの世話を代わろうとしない夫にいい加減嫌気がさしました。

外食好きな夫ですが、今は『冷たくなったご飯を食べるのが嫌だから』とはっきり断っています」(33歳/総務)

こちらの夫は、妻がいつまでも食べ終わらないことに腹を立てることもあるそうで、「自分が代わろうってどうして思えないのかわからない」と妻はいいます。

「食べたいけどこの子たちの世話をしないといけないじゃない」と言っても、「急げよ」しか返さない夫と外食なんて、誰だって嫌になるのではないでしょうか。