3.「パズル・つみき」で論理的思考を育てる!

幼児のおもちゃで3D思考を伸ばすものといえば、やはりパズルや積み木です。ポイントは選び方と使い方。池谷先生はいいます。

「立体になっているパズルや、答えが1つではなく、自由度が高くアイデア次第でいろんなものが作れるほうがいいですね。

まず『お城を作ろう』などのイメージ【目標】を作って、じゃあどうやって組み立てるのかという【計画】を立て、実際に作って【実行】、最後に『ちゃんとできたかな?』と全体を眺めてみる【検証】。

これって大人になっても常に必要な考え方で、こういった考え方、【目標→計画→実行→検証】という論理的思考にはメンタルローテーションの応用が必要なんです」

池谷先生おススメの知育玩具は、パーツが豊富でアイデア次第でいろいろなものが作れるレゴブロックや、カラフルな色の木のパーツを自由につなげてバランスをとる「サボテンバランスゲーム」など。自由な発想が生かせるパズルや積み木が効果的です。

「ここから始まることは、いくらでもあります」

池谷先生の著書『メンタルローテーション “回転脳”をつくる』は、こうしたメンタルローテーションのエッセンスを凝縮したパズル本。「年齢が上がって頭が固くなっちゃったという人に『そんなことないよ』という意味で書いた本です」と池谷先生。たとえばこんな、大人も子どもも楽しんで取り組める問題が紹介されています。

メンタルローテーションを鍛えるパズルの例

問題は32テーマあり、1テーマにつき「超初級」「初級」「中級」「上級」と4問ずつ、合計128問で構成されています。折り紙や漢字、道順といった具体的なテーマも多く、問題を解くことで「メンタルローテーション」とは何かが体感できる形になっています。

そして、各テーマの「超初級」問題には、幼児や小学校低学年の子でも取り組めるものも。まずはパパやママが問題にチャレンジしてみて「メンタルローテーション」を実感し、「超初級」を子どもと一緒に解いてみる――親子なら、そんな楽しみ方もできそうです。大人に解けない問題が、子どもの素直な発想で解けた!なんてことも起こるかも…。

基本は小学校高学年以上向け。でも“超初級”の問題には、未就学でも取り組める問題も。親子で遊びながら挑戦してみては?

人間の知性にかかわる能力の“基礎”にあたるメンタルローテーション。池谷先生はその著書の中で「メンタルローテーションで人生のすべてをカバーできるわけではありません。しかし、ここから始まることはいくらでもあります」と記しています。

可能性をおおいに秘めたメンタルローテーション。意識することから、そのトレーニングは始まっています。まずは子どもとの遊びの中で、楽しく取り入れてみてはいかがでしょうか?

ライター。業界紙、エンタメ系雑誌記者を経て、現在フリーランス。日々の暮らしに「へぇ〜」のアクセントを提供したいと日々勉強中。関心あるテーマは教育、お金、哲学。好きな本のジャンルは児童書・YAで、特技は物語の世界に入りこむこと。