“よくないと思う”から与えない「無菌培養」の危険
新しいメディアやテクノロジーが出てきたとき、親はこどもにどうつきあわせるか悩みます。一番簡単なのは「触れさせない」ことでしょう。
しかし子育てと教育の観点からすれば疑問が残ります。
時代によって娯楽も変化していく中、その時代に応じた娯楽や刺激を与えないままにすることにもリスクがあるからです。
まったく刺激を与えない、ある意味「無菌培養」のような育て方をすると、むしろ抵抗力が弱いこどもを育ててしまいますし、将来の反動を招く恐れもあります。
私自身、アニメを見る時間の制限が厳しかったり、高校になるまでテレビゲームをさせてもらえなかったバックグラウンドが、高校や大学以降に強くオタク化した理由だと考えているからです。
後悔をしているわけではありませんが、小さいときにもうちょっと遊ばせてくれていたら、ここまでオタク化しなかっただろうと思っています。
もちろん、年代に応じた刺激のコントロールは必要です。
しかし親が、「自分が分からないから与えない」「自分がおもしろいと思えないから遊ばせない」はゲームをさせない理由にならないと思います。
なぜなら、こどもの視点が抜けているからです。
こどもが面白いと思うものや興味を持つものを「アレはよくないものだから」と否定し続けていくことは教育ではありません。
むしろ変化する時代に適応していく力を育てる、と考えてみてはどうでしょうか。
「いつ」「どんなもの」コントロール方法
こどもとゲーム、こどもとマンガのつきあい方を考えるとき、未就学~小学生までのあいだは親の関与が重要になります。
まだこども自身がメディアへの免疫を備えていないからです。
親としては「買い与える」ポイントと、「遊びかた」のポイントでコントロールしながら、こどものリテラシーを高めていくといいでしょう。
「買い与える」は「どんなもの」を「いつごろ」与えることがこどもに適しているかを考えてみます。
マンガであれば、欲しいものを何でも与えるのではなく、読解力に応じた作品を選んでいくといいでしょう。少し下品なものでも、ほどほどに読ませていったほうがいいと思います。
ゲームの場合「ハードウェア」の購入、「ゲームソフト」の購入の2段階でこどもの気持ちをコントロールしていくことになります。
ゲームにしてもマンガにしても、なんとなく気まぐれで買い与えてはいけません。
「欲しい~」と言われて「はいどうぞ」という与え方と、少しガマンさせてプレゼントとしてのタイミングを意識される与え方ではこどもの満足度も違います。
オトナでも少しガマンしご褒美消費をするわけですから、こどもにも買い与える何らかの「理由」を作って、それをこどもにも意識させつつ買い与えることが大切です。
定番としては誕生日やクリスマス、何かステップアップを果たしたお祝いとしてプレゼントしてみてはどうでしょうか。
マネープランの観点からも、不定期にゲームソフトやハードの出費を出すことは好ましくありません。「新作ソフトを買ってあげるのは4~6カ月に一本くらい」のようなルールを親のほうで持っておくことをオススメします。