子どもが悲しい思いをしないように“転ばぬ先の杖”で、つい「まだ無理よ」とか「ほら、言わんこっちゃない」と言葉をかけてしまうことはありませんか。でも、良かれと思ってかけた言葉で子どもは「失敗したら嫌だから、挑戦するのはやめておこう」となってしまうかもしれません。
『一人でできる子が育つ テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
自分のお腹から生まれた我が子、母と子は一心同体。でも、胃や心臓のように自分の所有物ではありません。子宮は自分のものですが、その中にいる胎児は受精卵になった時点で自分とは違う一人の人間なのです。
けれども、親は我が子のことを思うが故、一人では何もできない子どもの姿を見て心配や不安を通り越して、つい過干渉になってしまうことがあります。
「ほら、言わんこっちゃない。ママの言う通りしていれば間違いないの」と言い続けると?
子どもが失敗するのを見るのが辛くて、ついこんな言葉をかけてしまうことってありませんか。
- 「危ないからやめなさい」
- 「あなたには無理だからやめておきなさい」
- 「そんなの、出来っこないわよ」
また子どもの失敗を咎めてしまい
- 「ほら、言わんこっちゃない。だから、ママの言う通りだったでしょ」
- 「ママの言う通りにしていれば間違いないんだから」
こんな風に言われ続けると、自らの意志や行動で動く自信がなくなり、「親の顔色を見て行動する子」になってしまうかもしれません。更に「自分は無力な人間である」とまだ幼いうちから思うようになり“諦めの早い子”にもなってしまうかもしれません。
また、親だって失敗することがありますから、その自然な姿を見せ、「我が子も自分も失敗することで学習している」「失敗を通して成長する」と考えるようにしましょう。
つい言ってしまいがちなひとことあるある
親に向かって口答えするのは止めなさい
「この言葉で制すれば子どもは納得する」と思っているのは大人の考えなのです。子どもはこう言われてしまったら逃げ道がなくなって、反発することができなくなっています。また、将来、自分が人の親になったとき同じことを我が子にするかもしれません。
口答えするのは理由があるはずです。まず、「なぜそういう風に考えるの?」と子どもの言い分を吐き出させた上で、親の考えとして「どういう行動をすればよいのか」子どもを導くようにしましょう。
ママはそんな子は嫌いよ
「ママはいい子の私は好きだけれども、悪い子の私は嫌いなんだ」と思い込み、親が怒るたびに「ママは怒ってばかりいる感情的な人」とは考えることは出来ず、「自分が悪い子だからママが怒っているんだ」と自らを責めるようになります。