「見える化」シートをベースに話し合ってみよう
さて「見える化」シートはできあがったでしょうか。おそらく育休のママは「ほとんど全部ママ担当」になってしまったかもしれません。でもその現状がはっきり「見える化」したということが第一歩です。
「見える化」はまさに現状を可視化する仕組みです。これを活用することは感情的に怒鳴るより効果的です。ママさん自身の頭の整理にもなり、感情を抑え少し冷静に伝えやすくするツールにもなります。
まずはパパと話す前にシートをじっくり見て、「どの項目をシェアして欲しいか」「どの項目ならパパが担当できるか」を考えておきましょう。「ここ、ちょっとやってくれないかな」と具体的に示せるようにしておくと効果的です。
ただ見える化シートを示すだけでは、「だからオレに何をさせたいんだよ!」とまた逆ギレされてしまうかもしれませんからね(自分がほとんど家事育児をしていないことが明らかになるので)。
「なんでパパを教育するようなことしなくちゃいけないの」と思うかもしれませんが、ある意味、子育てファミリーの管理職がママで、家事育児という「家の仕事」をできるようにパパを指導しているのだ、と考えてみてはどうでしょうか。
もちろん、指導がうまくいくほどあなたは楽になります。がんばってみる甲斐があると思います。
シェアをスタートしたら、手順も「見える化」しよう
ところで、こういった「見える化」が成功して、パパさんが家事や育児に協力してくれるようになったとしても、ママがやるべき「見える化」がもうひとつあります。
それは、家事育児の「手順の見える化」です。例えば、「朝、子どもにご飯を作って食べさせる」という負担をパパが代わってくれるとしても、それだけではパパはご飯をあげることができません。
「冷凍庫にあるAを50秒レンチンして醤油を一滴垂らす」「冷蔵庫の牛乳を100ml入れ20秒レンチンする」というようなマニュアルを作ったり、「スプーンはピンクのほうが好き」「最初少し口元に近づけ、数秒待つと口を開いてくれる」といったノウハウを共有することで、ようやく家事育児のシェアは完成するのです。
これ、最初は面倒です。しかし、コツコツマニュアルを作ってスマホのメモアプリなどにため込んでおくと、寝る前に「明日朝のご飯についてコピペして送信」というように手順はどんどん簡単になります。
横で常に見守っている必要があれば、これは家事育児のシェアとはいえません。パパさんも慣れてくれば「いつものアレね」というようにサクサク家事をしてくれるようになります。
わが家でも、ふたつの「見える化」で家事育児シェアを見直していった経緯があります。ぜひ家事育児をしてくれないというイライラは、「見える化」で解消してみてください。