2.家電で時産

丸山「食器洗い機の普及率は、欧米では約8割、日本では3割程度といわれています。この根底には “食器くらい手で洗わないと”という罪悪感があるのかもしれません。食器洗い機を上手に利用して洗い物は“やらなくてよい家事”にしてしまいましょう。

洗い物の時間は年間で1週間もの時間を節約できるのです。お財布にも環境にもプラスになりますよ」

3.家の空間づくりで時産

(1)モノを探さない工夫

●デイリークローゼットをつくる
丸山「デイリーで使うものはひとつのクローゼットに家族みんなの衣類をゾーンで分けて収納。毎日使う子ども用品もまとめて収納しておけば、探しものも減り大忙しの朝の支度もスムーズになります」

●マルチカウンターで一括収納
丸山「ダイニングで使うモノを、たっぷり収納できる『マルチカウンター』をダイニングに設置しましょう。家族で共有する日用品やモバイルグッズなどを一括管理して、探し回る手間も取りに行く手間も省略できます」

(2)家族の共有スペースを作る

●収納を兼ねた「間仕切りファニチャー」
丸山「共働き家族にとって、何より大切なのが、家族がそろう時間。家族がそれぞれ別のことをして過ごしていても、その気配を感じられるゆるやかな間仕切りがおすすめです。収納を確保しながら、光や風を通し、圧迫感が少ないので、視覚的にもゆとりが感じられます」

●週末はテラスをリビングに!「アウトドアリビング」
丸山「普段、もの干しに使っているテラス空間を活用。最近はテラスの奥行きが広いマンションも増えています。週末には家事の場だけでなく、テラスランチなど、家族時間、自分時間を満喫する空間として利用しましょう」

(3)ひとりでやらない工夫

●ランドリークロークという考え方
丸山「洗濯し、その場で部屋干しし、干しっぱなしのまま家族の一時クロークとしてしまうという、洗濯に関わる動きを一挙に省略してしまう工夫です。

家族が必要な衣類を必要なときにランドリークロークから自分で取り込むという新しい洗濯方法です」

●マルチアイランドキッチンでみんなで一気に準備・片付け
丸山「ぐるっと回れる導線のマルチアイランドキッチンは、家族みんなで分担して準備や片付けをしてもスムーズに動けます。

シンクカウンターとコンロを分けて設置すると、子どももカウンターに近づきやすく、お手伝いもしやすくなります」

時間がとにかく足りないママへ。「時産」のためにまずやるべきことは?

「時産」「ゆとり」と聞くと、いつも時間が足りなくて、時間を産み出すどころではない!と感じたママもいるかもしれません。そんな忙しいママに向け、丸山さんに、まずやるべきことを教えていただきました。

丸山「まずは“時短=手抜き”という意識から脱却しましょう。時短することは賢く時間を使うこと、家族のために、自分のためにむしろプラスになることだという認識を持つことが大切です。

また、時産には家族の協力も大切です。一人で抱え込まずに家族でできる仕組みを、家族で話し合いながら作りましょう。

そして、やるべきことを増やし過ぎて自分自身を追い込むこともやめましょう。子どもには、お母さんやお父さんの笑顔が一番の栄養です。時産でゆとりを持って笑顔で居られることが、このプロジェクトの意義でもあり、みなさんに推奨していることです。

時間を産み出すコツは、お伝えしたように、料理、洗い物、洗濯、収納など、今日からできる工夫がたくさんあります。まず自分が一番時短したい家事を決めて家族と相談しながら、1つずつ取り入れてみるといいと思いますよ」

自分や家族のためにも、ポジティブな方向へと考え方を変えることがポイントといえそうです。時産の実践方法、何か一つからでも始めてみたいですね。

【取材協力】ゆとりうむプロジェクト 理事 丸山 晴美さん

毎日の暮らしを「見直して」「工夫して」、ゆとりを「楽しむ」、それが“ゆとりうむ”です。ゆとりうむプロジェクトは忙しいママたちを応援します。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。

ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物取扱主任士(登録)、認定心理士、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師などの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。

著書に「簡単!しっかり貯まる お金の基本」(宝島社)、「定年後に必要なお金「新・基本のキ」」(宝島社)など多数。
公式ホームページ「らくらく節約生活。

ライター。美容、健康、グルメなど、今ドキ女性が気になる情報をお届けしています。素朴な疑問を調査したり、専門家に聞いたりして、分かりやすく読者に伝えるのがモットー。