睡眠トレーニングの成果
この実験の後、泣かせた赤ちゃん14人と、寝かせる時間を遅らせていった15人の赤ちゃんと、情報提供だけの14人の赤ちゃんを比較しました。
その結果、最初の二つのグループの赤ちゃんは、情報提供だけの赤ちゃんより3か月の時点で平均10分から15分早く寝つき、夜目覚める回数も実験初期の3回に比べて、平均1~2回少なくなったそうです。
そして、当然ながら、ママ達のストレスも軽減されたのです。
でも、心配なのは、赤ちゃんを泣かせ続けて大丈夫なのかということですね。
赤ちゃんを泣かせても大丈夫と判明
この実験を行ったフリンダース大学のマイケル・グラディサー准教授は、赤ちゃんを泣かせても、親にも赤ちゃんにも有害な結果をもたらさないということを発見しました。
この研究では、赤ちゃんのストレスレベルを測るために、親が朝と昼に集めた唾液サンプルで分析しました。
結果は、睡眠トレーニングを受けた二つのグループの赤ちゃんのストレスホルモン(コルチゾール)レベルは、情報提供だけのグループより、大幅に落ちていることを示しました。
すなわち、泣かせることや睡眠時間を遅らせることで、赤ちゃんがストレスを感じることはまったくなかった、むしろストレスレベルが低下したということなのです。
さらに、1年後母親達は赤ちゃんが感情や行動面で問題があるかどうかを報告し、また親子の愛着度を測るテストも実施しましたが、これらの赤ちゃん達に、行動や感情面になんの問題もなかったと教授は述べています。
さらに当然ですが、赤ちゃんの寝つきが良くなり夜目覚めることが減れば、両親のストレスレベルも低下し、母親の気分が上昇していることもわかりました。特に就寝時間を遅らせたグループの母親の気分の上昇が強かったそうです。