茶々保育園グループの特徴でもあるスタッフの名刺。
保育士それぞれが、年度ごとに与えられたミッションや得意なことを肩書きにしています。
「自分は何者かが伝えやすくなり、“保育園の誰か”ではなく自分自身を知ってもらうチャンスになるのが嬉しい。名刺を保護者と交換することもあり、その時は対等な社会人同士の関係になります。」と話してくれたのは保育スタッフの塩澤さん。
名刺を持つことでより社会人としての自覚を持つことができたそうで、今後は社会人の一般常識なども勉強していきたいと語っていました。
園長の川上さんは「Marche Producer」との肩書きを持ち、保育から見たマルシェという考え方を保護者や地域の方々などに伝え、実際に園のイベントでマルシェを開催するなどの取り組みを行っています。
マルシェ自体が保育園の活動に通じるところがあるのだとか。
「マルシェは生産者がこだわりを持ってその熱意を通りすがりの人に説明をする。その過程が、例えば5歳児が困っている3歳児に遊び方ややり方を教えてあげるなどという保育園での姿にも通じているのではないかと思っています(川上さん)」
子ども第一、“便利なもの”に頼らない保育の姿勢
茶々むさしこすぎ保育園で働く前は鎌倉で非常勤の保育士をしていたという園長の川上さん。
もともとの自身が持っていた考え方、暮らし方や子育ての仕方などの感覚的な部分がここでは体系化されていることに、新鮮な驚きと感動があったそうです。
なかでも園の特徴のひとつでもあるのが「布おむつ」の利用。
「茶々では布おむつを使いますが、替えるときはおむつ台があり、そこは子どもと1対1の関わりの空間になります。目と目を合わせながらその子が安心し、保育するものと愛着関係を結ぶことができます。
また、布おむつをすることで『濡れたら気持ち悪かったね』『替えたらサラサラで気持ちいいね』という声掛けがあり、生活の中で気持ち良さを感じられる機会が多くなると思います。
発育の過程を見るうえでも、トイレに連れて行くタイミングをつかみやすいです。」
話を伺っていると、まずは子どもの安全・安心を第一に考えているということが伝わります。
川上さん曰く、安心で安全な場所だからこそ子どもたちが一歩踏み出し、新しいおもちゃや学びに挑戦してみたいと思うことができるそうです。
おもちゃも歌も、成長と学びにつながる手作りのものを
保育園や幼稚園でよく目にするキャラクターグッズの代わりに、園の廊下を彩るのはドライフラワー。
季語が入った「12カ月の歌」の歌詞が飾られていたり、それぞれのコーナーごとに子どもの成長を考え、子どもの発達や興味関心に添った手作りのおもちゃが置かれていたり。
園内を歩くと、随所に茶々園独自のアイテムや習慣を目にすることができます。
それら一つひとつに、子どもを子ども扱いせず、一人の人間として尊重する茶々保育園グループの考えが反映されているようです。そのいくつかを紹介していきます。