演技は先入観を持たずに監督に染めてもらうタイプ
――撮影現場の雰囲気を教えてください。
窪田:同世代の方と全体を通してずっと一緒にやらせてもらう機会って実はあんまりなかった経験でした。(メインキャスト)5人でいるシーンがすごく多かったので、同世代だから話せることもありました。
みんな『MARS』という現場、学校に来て仕事をして帰るという感じのスタンスで、みんないつも笑っている感じでしたね。
――どんな話題で盛り上がっていたのでしょうか?
窪田:アドリブはかなりありましたね。
アドリブって言っても僕ではなく、零と親友の達也なんですけど。僕はそのシーンにはいないんですけど、「次どうしようか」って話をいつも現場でしているのは聞いていました。
「じゃあ前髪引っこ抜くわ」とか言ってたんですよね(笑)。そういうアドリブだったりも含めて、芝居の話をメイクルームなり憩いの場でしてるのってすごいなって聞いていました。僕自身はあんまり芝居の話をしないので。
――それはやっぱり自分で考えてその場の流れや感覚で演じられるからですか?
窪田:いや、僕は逆に監督に染めてもらう方だと思います。
むしろあまり何も考えていないというか。先入観が入ると変わっていくと思いますし、けっこうコレって決めちゃうとそのイメージを崩せなくなってしまうので、逆にそうならないよういつもニュートラルにいるように心がけています。
恋愛モノの作品を30歳までにはまたやりたい!
――窪田さん自身は今回藤ヶ谷さんが演じた零のような1人の女性を守る役ってやってみたいと思いますか?
窪田:そうですね、30歳までには一度はやってみたいなとは思います。
今まで演じさせていただことはありますが、もう20代もそろそろ終わるので、その中で恋愛モノをまたやってみて、苦手なところに入ってみてもがいてその記憶を染み込ませたまま30代を迎えたいなっていうのは1つの願望としてありますね。
この牧生という役をいただいて台本を読んだ時に、零役が太輔くんって聞いて、なるほどなって思いました。
――そう思ったのはなぜでしょう?
窪田:僕が零と牧生のどちらかでお願いされるなら、間違いなく牧生だろうなって。そういう印象やイメージがあるんだと思いました。
――でも窪田さんが零をやったら、また違う一面を見ることができそうです。
窪田:うーん、「今日は帰さないぞ」とか……ちょっと言えないですよね(笑)。
――視聴者やファンとしては今後そんな窪田さんも見たい気持ちはあります。
窪田:挑戦してみたいなっていうのはありますけどね。どうなるかはわからないですけど……。
どうしても屈折してるように見られてしまうのはあるんです。
自分が気づいていないだけで屈折しているのかもしれないんですけど。でもそうやって型にハマっていくっていうのは良い意味で捉えると“その人にしかできないもの”っていうことにもなる気もしますし。
行き着く先は葛藤と、考えてもしょうがないなっていうところに最終地点はいつも降り立つんですけどね。
――牧生は零に執着していますが、窪田さんが執着するものはありますか?
窪田:あまりモノに対しての執着が正直ないんですけど、テレビのお仕事だったりメディアの仕事なりをさせてもらって、業界というものに良い意味で染まりたくない、と思っていて。
良い距離感を保ちたいし、その中でやっぱり役者でいたい。執着しないようにというか、入り過ぎないようにすることは大事にしています。
――入り過ぎないように距離感など気をつけていることを教えてください。
窪田:仕事は仕事、プライベートはプライベートと完全に切り分けています。
役者の人や現場で一緒になる方はいっぱいいるんですけど、それはあくまで現場での話で、プライベートになるとまったく繋がりはないです。それはけっこう元からなんですけど、1人でいたいっていう(笑)。
自然とそうなっていますね。