3:60%ルールで子どもの才能を引き出す

「適度に手を出さないことも愛情だ」といしいさんは言います。親の役割は子どもの自立を促しサポートすることですが、サポートではなく「おもてなし」といえるくらい、親が手を出してしまうと、子どもの自立を妨げてしまいかねません。

自分が考える理想の60%できていたらOK、と考えるのがいしいさんの提案する「60%ルール」。子どもの天才性を引き出したいなら、完璧主義はNGです。

例えば子どもが自分でお茶をコップに注ぎたい、と言ったら、まずはやり方を教えてあげて、あとは子どもが60%できていたらOK。お茶がはねたりこぼれたりしても、それは当然のこと。ふき方を教えてあげればいいだけです。

4:子どもに自分で選ぶ経験を積ませる

子どもの自立のサポートをするのが親の役目。そして子どもの自立のために、毎日少しずつでもやったほうがいいことがあります。

それは「子どもに選ばせる」こと。食べ物、着るものなど、身の回りのことをできるだけ子ども自身に選ばせることです。

人生は決断の連続です。何時に起きるか、何を食べるか、誰と過ごし、どんな仕事をするのか。

そんな人生に欠かせない「決断」の練習を小さいうちから積んでおけば、指示されないと何もできない人間になることもないはずです。

最初は「AとB、どっちがいい?」と2つから1つを選ぶことから始めましょう。はじめのうちは選ぶのに時間がかかるかもしれませんが、「自分で選ぶ」喜びを覚えると、子どもの“自分で選ぶスイッチ”が入ります。子どもがなんでも自分で選べるようになれば、長い目で見れば親の負担も減っていきますね。

ただし、命の危険に関わるシーンや公共の場では、大人がやってあげることも必要です。多くの人が待っている場所でエレベーターのスイッチを押したがっても「あとでね」と声をかけて親が押すなど、状況に応じて対応することも大事です。

5:お手伝いを活かして天才性を引き出す

子どもの天才性を引き出すとはいっても、忙しい現代の親は「とはいえ面倒なことはしたくない!」と思う人が多いのではないでしょうか。

そこでいしいさんがおすすめしているのが、「お手伝い」を少し工夫すること。

最初は飲み物を入れた蓋つきマグをトレーにのせて運ぶ、など簡単なお手伝いから始めて、徐々にお願いするお手伝いの数を増やしていきます。

子どもの発達段階にあわせた「お手伝い」をしてもらえるような環境をつくり、お手伝いしたくなる「言葉がけ」をすることで、子どもはぐんぐん天才性を伸ばしていくそうです。

何より、子どもがお手伝いできるようになると、親が楽ですよね。

家族はチームなので、子どもが4歳を超えたら「全員の協力があって、はじめて家族。だから家族全員がおうちのことをするんだよ」と伝えるようにしましょう。小さくても家族の一員だと自覚を促すことが重要です。

小さい頃からお手伝いを当然のようにしていると、思春期を迎えても変わらずにお手伝いができる子どもになりますよ。