下の子どもができて、お母さんはこれまで以上に忙しいのに、上の子がやたら甘えてくるようになって、それまでできていたこともやらなくなってしまった。いったいいつまで手がかかるんだろう?

そんな上の子に成長してもらうためには、どんなふうに接していけばよいのでしょうか?『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』の著者で、日本欧米いいとこどり育児を提唱する幼児教育研究家平川裕貴がお話しします。

上の子が甘えるようになった原因

下の子に手がかかる時に限って、上の子が甘えてくるという状態になっていませんか?

実は、上の子が甘えるようになった原因を探る時、考慮すべき点があります。

それは、上の子が何歳の時に下の子ができたか、すなわち、上の子と下の子との年齢差です。上の子が赤ちゃん返りをしたり、親に必要以上に甘えてくるのは、たいてい年の近い兄弟姉妹の場合です。

なぜなら、まだ自分が1歳2歳で、甘えたい盛りに下の子ができて、親を奪われたような気になるからです。上の子にとっては、いわば、強力なライバルが出現したようなものです。

特に、下の子が動き出して目が離せなくなると、上の子はますますお母さんを取られてしまうような気になっていくのです。

年齢が3歳以上離れている場合は、上の子は幼稚園に行きだしたりして、先生やお友達との交友関係などに興味や関心が広がっていきます。ですから、下の子にライバル心を持つというより、自分より弱い存在として見ることができるようになるのです。

では、上の子が甘えてくる場合はどんな風に接していけばいいでしょうか?

上の子が甘えた場合の適切な接し方

甘えを受け止める

まず、まだまだ甘えたかったのに、下の子ができたために甘えられなかった、上の子の気持ちを分かってあげましょう。ずっと欲求不満状態なわけです。

ですから、下の子が寝た時など、とりあえずお母さんに余裕のある時は、「○○ちゃんもまだ甘えたいよね」「お母さんが忙しい時はできなくてごめんね」と甘えさせてあげてください。

上の子も手をかけられてきたことを伝える

下の子ができるまでは、上の子にも十分手をかけて育ててきたのですが、上の子は当然そんなことは覚えていませんし、わかりませんね。

ですから、下の子の世話をする時に、上の子にも同じことをしてきたのだと、ことあるごとに話していきましょう。

「〇〇ちゃんの時もこうしたよ」「○○ちゃんはもっと泣いたよ」「○○ちゃんは、こうするとお母さんにいっぱい笑ってくれたよ」「○○ちゃんが笑うとお母さんすごくうれしかったんだよ」