3. 責めるより提案を
「大事な振り込みを忘れたり残業になるのに連絡せずにいつまでも晩ごはんを待たせたり、いい加減なところがある夫。
結婚したときはいちいち怒っていましたが、『忘れるときもあるだろう』と一向に反省しない様子に疲れてしまい、そのうち私も夫に文句を言われたら『仕方ないでしょ』とまともに取り合わなくなっていました。
でも、こんな親の姿を見て育つ子どもたちのことを考えたらこれじゃいけないと気がついて、『19時を回っても連絡がないときは先に食べるから、間に合いそうならLINEしてね』と夫がやりやすそうな提案をするようになりました。
一度言ってみると夫も『わかった』とそれから19時前後にLINEをくれるようになって、今まで振り回されることでイライラしていたんだなと気が付きましたね。
責めるより、こちらから提案していけば夫も従ってくれるので、今は『もし大丈夫ならで構わないから、お願いしていい?』と会社の帰りに買い物を頼んでもしっかりやってくれるようになりました。
一番うれしいのは、ふたりの会話が増えたことかな」(37歳/総務)
言われたことをきちんとやってくれない夫を見ると、まともに関わる気をなくす、という妻の声はよく聞きますが、こちらの女性が言うとおり、そんな親の姿を見て育つ子どもたちはどう思うでしょうか。
コミュニケーションを諦めてしまうのは、夫婦の絆が壊れる大きな原因になります。いい加減さを責めてばかりでは夫は反発を強めるし、それならこちらから良い案を出して受け入れてもらうのがストレスのないやり方です。
「やってよ!」ではなく「こうするから応えてほしい」なら、夫は「責められない結果」がわかるので動きやすくなります。自分の行動で妻が喜ぶ姿を見れば、もっと応えたい気持ちがわくでしょう。
コミュニケーションは会話が中心です。責めるより、夫の心が開く提案を心がけたいですね。
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意見や気持ちが衝突するのは、夫婦にとって大きなストレスですね。そして、どちらかの我慢が解決になってしまうと、それは決して良い関係とはいえません。
幸せな夫婦を見ていると、ケンカするときでもお互いの気持ちを尊重する姿勢を忘れないことがわかります。一方的に意見や感情をぶつけるのではなく、「ふたりにとってどうか」を考える視点があることで、我慢のない解決を見つけ出すことができるのですね。
伝えることを恐れないこと、伝え方を工夫すること。コミュニケーションを諦めない気持ちを持つのが、最大のコツだといえます。