2:「人間は、死んだらどうなるの?」

ここからは、より抽象的でデリケートな問題になってきます。とくに幼い時期にどのように説明するかで、その後、どれほど率直に物事を話し合える親子関係を作れるかが決まってきます。

子どもの成長段階別に、ミリアムさんの考える答えを見てみましょう。

幼稚園生まで――

「人は死んだら、呼吸が止まって身体がもう二度と動かなくなるの。去年の夏に見た、冷たくなった小鳥みたいに。人も動物も、死んでしまったら心臓も脳みそも止まってしまうから、自分が死んでいるということに気づかないものなの」

小学生になったら――

死の意味を伝えるだけでなく、恐怖心を取り除いてあげることが必要になってきます。

「死んでしまったら身体が完全に止まってしまうから、そのとき何が起こったのか誰にもわからないの。呼吸も、心臓も、筋肉も、脳も止まってしまうから、何かを見たり聞いたり考えたりすることも永遠にできなくなるの。

ほとんどの人は、年を取って身体がくたくたに疲れて、自然と死んでいくの。だから、もっともっと大きくなって年を取るまで、死ぬことを心配する必要はないのよ」

死はすべての人に訪れるもの。死んだ小鳥を見た経験など、身近で体験した例を引き合いに出しながら説明すれば、わかりやすく伝わります。

3:「ゲイってどういうこと?」

幼稚園生まで――

「男の人と女の人がお互い好きになって結婚するんだけど、中には同性愛といって、男の人が好きな男の人、女の人が好きな女の人もいるの。それは、べつにおかしなことではないのよ」

小学生になったら――

「同性を好きになる人もいれば、異性を好きになる人もいる。海外では、同性同士でも結婚が認められる地域もあるのよ。

好きになる相手が違うだけで、好きになる気持ちは何も変わらないの。『誰かを愛する、好きになる』という気持ちは、すべての人にとって何よりも大切な気持ちなの」

4:「ドラッグはなんでダメなの?」

1回でもやってしまうと、やめられなくなる」ということをしっかりと伝えましょう。子どもにも、恐ろしさがきっとわかるはずです。

幼稚園生まで――

「ドラッグは、脳みそをおかしくしてしまうものなの。中には『依存』といって、一度使ったらやめられなくなるものもあって、そうなると一日中ほかのことは考えられなくなってしまう、とても怖いものなの」

小学生になったら――

「ドラッグは、いろんな形で人に悪い影響を与えるとても怖いものなの。

しかも、どんな影響が出るか、前もって知ることはできないの。たった1回使っただけで死んでしまったり、一生治らない病気になってしまうのよ。とくに子どもは、1回目で死んでしまうことも十分にあるの。だから、ドラッグには絶対手を出さないことが大事なの」