ついに、ランタンが飛んだ! 感動的な光景が……

ランタンフェストのメインイベント、ランタンの打ち上げが行なわれる。来た甲斐があった!と小躍りしたいくらいだった。

参加者全員ランタン打ち上げエリアへ。広いスペースに、十分な間隔をあけて100組分のランタンの用意がされていれる。

各々ランタンの飛ばし方をスタッフから教わる。

大きな袋状のランタンを広げて燃料となる火を覆う。火の周りの暖まった空気でランタンがふくらむ。ランタンは「熱い空気は冷たい空気より軽い」という気球と同じ原理で飛ぶ。

原理はシンプルだが、苦労しているグループも。ランタンの下側を支える人、ランタンの袋部分をおさえる人が2人、と3人一組だとうまくいくのだが、2人組みの参加者が多く、空気が暖まるまでの間、ランタンをおさえるのが難しかったようだ。

スタッフの助けもあり、ほぼ全員のランタンが膨らんだところで、いよいよ打ち上げ。

10、9、8 ……カウントダウンがはじまる。

アメリカのランタンフェストの映像を何度も見て、映画「ラプンツェル」的世界を想像して……。でも、たった100組の灯りでそんな風景が見られるのだろうか。実は、そんな不安もあった。

カウントゼロ。参加者が手をいっせいに手を離すと同時に、会場の灯りが突然消えた。

「わぁ~」という声がもれる。ゆっくりゆらゆらと揺れながら、ランタンが空へ飛んだ。

初めてみる風景に感動した。今、この瞬間しか見られないから、一瞬でも見逃さなしたくないという気持ちでランタンをジッと見る。

20代くらいの女性の参加者さんが、「ちょっと泣きそうになるほど、感動しました」と話してくれた。映画の感動シーンに弱い筆者も、実際ちょっと泣いた。

頼りなくフワフワと夜空を舞うランタン。頼りないからこそ、いつまでも見てしまう。100個でも1000個でもきっと一緒。ランタンフェストの良さは、数の問題じゃないんだと確信した。

ひとつ、またひとつとランタンの灯りが消えて、空に吸い込まれていく。参加者も会場のスタッフもみんな、最後のひとつが消えてなくなるまで、ランタンを見守った。

ランタンフェスト、また絶対に見たい! と思える素敵なイベントだった。

取材/橋村望

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