強くなったところ。そうだな。卒業するときは、色んなことにチャレンジしたいと思ってたし、女優さんをずっと目指していたので、色んな仕事をしたいけど。やっぱり芝居を強化したいっていう気持ちがすごく強くなりました。

卒業する前からそういう気持ちがあったけど、やっぱり今回ブチ当たった壁が、高くて分厚い、強烈な壁で。それをまだ全部崩したわけではないですけど、ちょっと迷走してたんです。

このまま、お芝居もしたくないし、人前にも出たくない。仕事したくない、ヤダ、何もしたくないって、思いかけたときもあって。

ーー本番前のお稽古中、“黒い佐江ちゃん”が心にいたときですね。(第2回)

そう! そうそう。くろーい佐江ちゃんが、ちょっと出てたんです。“本番が始まって終わる頃には、変わってたらいいな”と思って、この1カ月やってきて。

すごい人たちの中で、自分が今回やらせてもらって、そういう人たちに、こんな自分でも、“何か新しい刺激を与えることができたんだ”って、ことがちょっと嬉しかったんです。

他の色んなところで、刺激を与えたいからというわけではないんですよ。だけど、もっともっと、色んな世界を自分で見たいなと思ってます。“次にこういうものに出たい”とか、具体的なものがあるわけじゃないけど。

“一緒に舞台に立った方たちに感謝の気持ちがあるから、次のステップへ自分がしっかり進まなきゃ”って、『クザリアーナの翼』のとき思ったんです。

そういう気持ちを『王家の紋章』の皆さんにも思えてよかったと思ってます。

“この人たちと一緒に舞台に立てたから、次に自分がステージに立ったものを見てもらいたい”“また、違うところで一緒に仕事をしたい”っていう気持ちが本当に強くなりました。

そのためにもっと頑張らなきゃいけないな、って。“黒いモノ”がなくなったかなと思う。取っ払ってもらえたかなってすごく思う。

『王家の紋章』の再演は、また同じ作品を作れるからすごく嬉しいです。皆ブラッシュアップされて戻ってくるんだろうな。

ーーキャストの皆さんも、他の経験を積んで戻ってくるわけですからね。

でも、一番自分が伸びしろを発揮できるところにいると、感じることもできました。一緒にいた人たちにも気付かせられるくらいのものを、身につけなきゃいけないなって思ってます。

皆には引き続きお世話になると思うんですけど、今はそんな気持ちでいっぱいです。また、再演、観に来てくださいね。

ーー観に行きます! 来春が待ち遠しいです。

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