いつも食べるものに気を使っている人でも、妊娠中や授乳中は、いつも以上に食べる質や量に気を使いますよね。
しかし、情報が氾濫している昨今、どこで情報を得たら良いのか迷ってしまうことも。
今回は様々な研究データからわかっている妊娠中・授乳中に本当に摂りたい食事と避けたい食事について、管理栄養士の望月理恵子がご紹介いたします。
摂りたい食事
ナイアシン:魚、肉、きのこ類、玄米 等
元気なお子さんが生まれてくるのが何よりですが、生まれた後、多くのお母さんが悩むのがお子さんの皮膚アレルギー。
確かに生まれたての肌は免疫力が弱く、ちょっとした刺激で湿疹など肌荒れをしやすく、アトピー体質になりやすい状態。
しかし、その予防ができるかもしれないということがサウサンプトン大学の研究で発表されました。
母親が妊娠中に体内のビタミンB群の1つナイアシン(特にニコチンアミド)が高濃度だった乳児は、出生後12ヶ月時の湿疹のリスクが低いということがわかったのです。
妊娠中は、ナイアシンを多く含む食品を積極的に摂るようにしたいもの。また、種実類や豆類に多い“トリプトファン”という栄養素からナイアシンが生合成されるので、合わせて一緒に摂りたいですね。
ビタミンD:魚、肉、卵、きのこ類、牛乳 等
骨や発育に必要なビタミンDは、妊娠中も授乳中も摂りたい栄養素。ビタミンDは食品や、体を紫外線に当てることによっても体内でビタミンDが合成されます。
しかし、母乳には吸収は良いというものの、ビタミンD量が少ないため、完全母乳哺育の場合は、お子さんがビタミンD不足になりやすくなります。
それに加え、近年は紫外線を極端に避けると、さらにビタミンD不足に。
お子さんがビタミンD不足になると、骨がうまく形成されず、背の伸びが悪くなったり、下肢が曲がり極端なO脚になったりする“くる病”になることもあります。
ただ、授乳中の母親に、ビタミンDのサプリメントを提供すると、乳児の血清ビタミンD値が改善することがわかっています。
完全母乳で、あまり外出をされないお母さんは、主治医に相談してビタミンDのサプリメントを摂り入れることも1つの方法。
もちろん、日頃からお母さんがビタミンDの多い食品を積極的に摂ることでも予防できますので、意識して摂り入れるようにしてみてください!