体の中からも乾燥を防げる「フィラグリン」に注目

 

スキンケアやウエア選びなど、乾燥肌対策には重要ですが、こうした体の外からアプローチすることと同時に、最近では体の内側から潤すことも重要だと考えていて、そのために注目のものがあるという野﨑先生。

「たんぱく質の一種、フィラグリンです。これは皮膚をしなやかにして保湿する役割があり、細胞で作られて体を守り、分解されて皮膚に出ると天然保湿成分となって乾燥から肌を守るバリア機能になります」。

肌の表面はわずか0.02ミリの角質層によって水分を保ち、風やほこり、花粉といった外的な刺激から守るバリア機能も果たしています。フィラグリンの産生が低いと、肌が乾燥するだけではなく、こうして刺激にも反応しやすくなります、つまり敏感肌にもなりやすい。

ちなみにフィラグリンの産生の高いかどうかは手のひらを見ればわかります。
「親指の付け根のところに細かいシワが多い(掌紋増強といいます)人はフィラグリンが十分ではない証拠です。足の親指の付け根のところも同じです」。

これは遺伝的なものが大きいようですが、規則正しい生活によってもフィラグリンの産生が促される可能性があるそうです。

「フィラグリンはタンパク質なので、肉、魚、卵、大豆といったタンパク質を積極的にとるだけではなく、タンパク質の代謝を上げるビタミン、ミネラル類もしっかり取りましょう。要はバランスのいい食事です。そして睡眠、ストレスのない生活をすること。

当たり前のように思えますが、トレーニングはもちろんのこと、こうした生活習慣が非常に重要だったりします」

乾燥ケア=保湿と思いがちですが、案外ケアできることはたくさんあります。

自分の乾燥の原因はなんなのか、どういう対策をしたらいいのか、ランナーの得意なTRY&ERRORを繰り返して上手にケアすることで、ゴワゴワぼそぼその乾燥肌からもちもちの潤い肌へ。

さあ今すぐはじめて!

<野﨑誠先生>
わかばひふ科クリニック院長。2001年山形大学医学部卒業。2004年より国立成育医療研究センター皮膚科勤務。2013年3月より「わかばひふ科クリニック」(東京都武蔵野市)院長。
専門分野は小児皮膚科。特にアトピー性皮膚炎を始めとする乳幼児の湿疹性病変、皮膚アレルギー性疾患、虫刺され、あざ・母斑および同症に対するレーザー治療。開院以来昨年末までの0歳児の診察は2,000人、のべ1万1千件にのぼる。

 フリーエディター&ライター。大学卒業後、女性向けの情報誌の編集に5年間携わり、その後フリーランスに。現在は料理、健康、フィットネス、マナーなどの女性実用を中心に単行本、雑誌などの編集・執筆を手掛ける。また趣味であるマラソン好きが高じてサハラ、ゴビ、南極など世界の砂漠ばかりを走るマラソン大会への出場をライフワークとしている。