「子どものうちはあらゆる面で親がかりになることが多いけれど、いずれは精神的にも経済的にも自立して、自分自身の道を自分で切り開いていけるようになって欲しい」
そんな思いで筆者は二人の息子の子育て中です。
大人になるまでにできるようになって欲しいこと、身につけて欲しいことはいろいろあるけれど、中でも社会生活を送るには避けては通れないお金のことやそれを手にいれるために働くことを子どもに伝えていくのは必須でしょう。
それにもかかわらず、お金のことや仕事のことはどう伝えればよいか迷ってしまう人も多いと思います。
そんな人に、今回は我が家でたどってきたお金教育のステップをご紹介します。
1.なかなか興味を持ってもらえなかった幼少期
お金の教育は身近なところから。
まずはちょっとした買い物を出来るようにしようと私の方が張り切っていた幼少期ですが、幼児教育のセットにあったお買い物「ごっこでの遊び」に誘ってもあまり乗り気になってくれなかったので、どうすれば興味を持ってもらえるかをその頃は考えていました。
そんな中で自分自身の生活を振り返ると、お金を使っている姿を子どもに見せる機会がとても少なくなっていることに気づきました。
食材も主に宅配を利用していたし、その他の買い物も子どもが幼稚園に行ったり祖父母に預けている間にささっと行ってきたりすることが多く、目の前でお金を払うことが極端に少なかったのです。
目にする機会が少なくては「ごっこ遊び」にも興味が持てないはずで、身近なことについては本物のやりとりを見ることが、知ることの一歩目なのだなと反省しました。
それ以降は一緒に買い物に行くことを増やし、どのように商品を選んでいるのか、支払の時にどういったところを確認し、どのようにお金のやりとりをしているのか、実際に子どもに見て感じてもらえる機会を増やすようにしました。
2.使う機会と管理について試行錯誤した小学校時代
子どもが小学校に入り、ある程度の計算が出来るようになり、書くことも不自由しなくなると、おこづかい帳に記録していくことも出来るはずだし、少しずつでも自分で実際にお金を使って管理をしていく経験をして欲しいと思うようになりました。
それと同時にお金は働いて手にいれることも知って欲しいと、兄弟でそれぞれ担当するお手伝いを決め、それができた日数分、いくらか報酬がもらえるというおこづかい制度を始めました。
ですが、うまくいくことばかりではありませんでした。
その1つはおこづかいをもらっても、特にこれが欲しいという物もなく、近所で駄菓子や雑貨などを買う店もない環境だったため、お金を使う機会があまりなく、おこづかいをもらいたいという気持ちに子どもがなりづらかったことです。
お金の必要性を感じてもらうために、ある程度の頻度で買う必要の出てくる文房具や母の日のプレゼント等を自分のおこづかいから買い、使う機会を作り出さなければなりませんでした。
使うたびに色々な財布を使っていたために、おこづかい帳をつけてもいつも残高が合わず、まずは使う財布や保管しておく場所を決めておくことから始めなければならないこともありました。
他にも、減るのが不安でもらったおこづかいを使いたがらず、記録をとりながら使ってもまた稼げば困ることはないということを理解してもらった、というようなこともありました。
うまくいかないことがあると、その時々でその子にあわせた修正をしながら試行錯誤していった小学校時代です。