子どもの習い事や友達付き合いについて、人生経験の長い親が決定権を持ちたい気がします。でも、子どもの意思を無視していいものか、また、どこまで尊重したらよいか悩みますよね。
『1人で出来る子が育つ 「テキトー母さん」 のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
子どもが野球チームに入りたいと言ったとき、「野球ではなく、メジャーなサッカチームに入りなさい」と反対したくなったり、「ダンスを習いたい」と言っているのに「ピアノがまず最初でしょ」とアドバイスしたくなったり…
親は子どもの将来を考えて、良かれと思って、愛情から出でくる言葉ですね。
成人しても親の干渉は続く
筆者の周りには大学受験、就職という年齢を迎えている息子さん娘さんを持っている友達が多いのですが、未だに昔と同じようなことで悩んでいます。
友人が話していたことです。
「息子が就職先が決まりかけているのに『大学院に行きたい』と言い出したの。
でも、大学院に行ったら就職が遅れてしまうので、親としてはとても心配なのよ。勉強して教授になれるなんて、ほんの一握りの人達でしょ。そんな夢みたいなことばかり追っているので反対しているのよ。一体どう説得すればよいのかしら?」
「娘が医学部を受験したいと言い出したの。医者になってくれれば嬉しいのだけれど、でも、親としては女の子だから浪人はさせたくないわ。
もし不合格だったら『他に受験した薬学部に行って薬剤師になりなさい』と薦めているのよ」
どちらの親の気持ちもわからないではありません。それぞれの家庭の経済的事情もあるでしょう。親として心配で「あの道に進むな、こっちの道に行きなさい」と言いたくなるのですね。
こうして、子どもが大きくなっても親はいつまでも親、悩んでいる人も多いです。
でも、もし親の言う通り薬剤師になったり、もっと勉強したかったのに大学院に進まなかったりしたら、子どもはずっと心の中でわだかまりを抱えて生きていくことになります。
自分で選択した道であれば、たとえうまく行かなくても他人のせいにはしないで「自分が選んだ道だから」と考えるでしょう。
子どもの意志を尊重しよう
子どもが幼いともっと親が介入することが多くなります。
【子どもの願いを叶えてやらない例】
- 幼稚園からの推薦図書の名作絵本を買おうと本屋に出かけた。でも、子どもが手にしているのは電車の絵本やアンパンマンの絵本
- 「これを着なさい」と服を選んでも「これが着たい」とお気に入りのキャラクターの付いた服を着たがる
- 親はピアノを習わせたいのに、子どもは和太鼓を習いたいと願う
- 外食したとき子どもは「ピザを食べたい」と言っているのに「ハンバーグにしなさい」と命じる