問題解決能力が身に付く
いつまでもお互いに「僕が先!」と言い合っていても収まりませんから、子どもでも、その状況を打破しようと考え始めます。
今度は、なぜそのボールを今自分が使いたいのか、もしくは、もう相手に譲ってもいいと考えるのか。子どもは問題を解決する方法を必死で探ります。
あくまでも先に自分が使いたいなら、相手を納得させなければなりません。
「僕ボールを見つけた時、すぐあのゴールに入れようと思ったんだ。だから1回だけ先にボールをキックさせてくれない? その後ボール渡すけど交代で使わない?」
「うん。いいよ。じゃあそうしよう」
相手を説得して問題を解決するための、いろいろなアイデアや知恵が育まれます。
キレない精神力を身に付ける
でも、お互いに譲らないと、売り言葉に買い言葉で、「嫌い!」とか「もう遊んでやらない!」など、ついきつい言葉を言ってしまいます。
自分がきつい言葉を言われた時、きっと悲しい気持ちや辛い気持ちになるでしょう。そうして言われて嫌なことを知ります。
また、自分が相手にきつい言葉を言ってしまった時、相手が悲しんだり、泣いたり、さらに怒ったりします。そうして、どんなことを言えば相手を怒らせるのか、悲しませるのかを学んでいくのです。
そして、それは同時に自分の精神力を強くする薬になります。
最初は、子ども自身、怒りや悲しみの感情にてこずるかもしれませんが、何度も言い争いや口ゲンカを経験すると、自分の感情をコントロールする術が、自然に身に付いていくのです。
いかがですか?
論理的思考も説得力も、問題解決能力や我慢強さも、大人になって必要となる能力ですが、大人になってから身に付けることはとても難しいです。
これらの能力は、幼児期に他の子と接することで育まれるのです。
小さい子どもの場合は、押したりたたいたりと手が出てしまうこともありますから、その時は暴力はよくないと教え、言葉できちんと伝える方法を、教えていかなければなりません。
また、大勢で一人を責めるというような場合は、ケンカではなくいじめですから、これも止めなければなりませんが、1対1でやりあっている時は止めないでください。
兄弟や友達との口ゲンカのやり取りやその解決法を見れば、きっと子どもの成長と知恵に驚かされることになるでしょう。