エジソン
エジソンが生きた時代には“発達障害”という概念はありませんでしたが、彼は幼い頃、決して褒められるような子どもではありませんでした。
小学校時代の有名なエピソードです。
算数で粘土を使って“ 1+1 =2 ”を教えた担任教師に、エジソンは「 1+1 の答えは 1 である」と言い張りました。粘土と粘土をくっつけたら 1 になると言うのです。ところが、屁理屈を言う幼い彼に対して担任は、「腐れ脳みそ!」と言い放ちました。
母親は子どもの発想力を理解しない学校の対応に怒り、彼を退学させ、家で勉強を教えることにしました。
そして人類の生活を変えるあの電球の実用化を果たしたエジソンが生まれたと言われています。
その他、アインシュタインやウォルト・ディズニーなど「発達障害であっただろう」言われている偉人や有名人は数多くいます。
マイクロソフト社は自閉症の人を積極的に採用
マイクロソフト社は2015年に発達障害の代表される自閉症の人をフルタイムで採用することを発表しました。
その際、マイクロソフト社のコーポレート・バイスプレジデントを務めるメアリー・エレン・スミス氏は以下の通りコメントしています。
「自閉症の人たちは、マイクロソフト社が求めている強みをもっています。それぞれに個性があり、素晴らしい記憶力を持つ人もいれば、深い思考力を持つ人もおり、数学やプログラミングに秀でている人もいます。」
例えば、“バグ取り”(もしくは“デバッグ”ともいう)というプログラムの間違いを見つける仕事はこういう人たちが素晴らしい才能を発揮することもあります。
これらの人たちは“発達障害だから”偉業をなしえたのでななく、その特性を活かすことができる周りの応援、支援があったのでその力を余すことなく発揮できたのです。
今の問題で将来、困ったことにはならない
“じっとしていられない”。確かに幼稚園、保育園、小学校の中では困った行動に映ります。
学校教育は一斉指導です。すると「右にならえ」で皆と同じように行動することを求められます。けれども、社会人になると“周りに合わせてばかりいて自分の意思を通さない”姿勢はマイナス要素になることもあります。
席を立つなど勝手な行動をすると“困った子ども”と評価されて“先生を困らせる子ども”。でも、それで人生、困ったことにはならないのです。
あなたのお子さんが発達障害であるとは限りません、単に興味の対象が移行する速度が周りの子より早いので目立ってしまうだけかもしれません。
人生で困るのは二次障害
皆と同じ集団行動が取れないことを良しとしない担任から「お宅のお子さんの行動に困っている」と面談で伝えられてしまったら、たいていの親は家でも同じように注意したくなります。
すると、子どもは学校でも叱られ、家に帰っても日中の出来事をほじくり返され“傷口に塩”状態になってしまいます。
「あれも不足だ、これもできない」と叱られ続けたら、子どもの心に中にはいつしか「僕はダメな人間だ」という気持ちが生まれてきます。そして自信を失い、二次的な問題が起こります。
不登校、引きこもり、精神疾患、自傷、他害などです。これは生まれ持ってきた特性である一次的なものに対して、周りの間違った対応により二次的に起こってきてしまったものです。
親が変わろう
子どもにはこうあってほしいと願いを託すのは自然な感情です。「個性を伸ばしたい」と言いながら、実際やっていることは人並みを求めたり、平均値を意識する子育てだったりします。
けれども、子どもを無理に変えようとしてはなりません。でも、変わるべきなのは親なのです。エジソンや徹子さんのお母さんの真似を少しだけしてみませんか?