4:契約書にこのような文言があるのはNG

ネット上で仕事が完結するクラウドソーシングだからこそ、重要なのは契約内容です。

「過去に、“リライトや転用はNGですが、複数のサイトから少しずつ参考にして自分なりの文章にするのはOKです”という趣旨の文言が書かれた契約書がありました。内容が矛盾しているし、“パクり”を推奨しているのと同じですよね」

著作権を侵害したことが明るみになれば、ライターにとっても依頼主にとっても致命的です。

仕事を受注する前に契約書をすみずみまでしっかり読み込み、怪しい部分があったら契約は取りやめましょう。

5:住所や電話番号の記載がないのは疑わしい

「仕事が決まったら、相手にメールだけではなく、電話やスカイプでも連絡が取れるかどうかを確認します。

それを拒否されたら、その依頼主はおすすめしません」と桜井さん。

逆に、メールに住所や電話番号の明記さえないのは、もっとも疑わしいパターン。報酬を支払わず、突然連絡が取れなくなることも考えられます。

できるだけ契約が成立する前に問い合わせをして、社名や担当者名を確認しておきましょう。

6:直接取引を強要してきたら危険!

多くのクラウドソーシングサイトで禁止されているのが、サイトを介さずに個人的に受発注する「直接取引」です。

けれども、直接取引を持ちかける依頼主は実際にあります。

サイトを介して受発注すると、クラウドソーシング会社から手数料が引かれます。そのため直接取引したほうが受け取れる金額が多く、メリットがあるように思えますが、これが大きな罠。

「直接取引にして納品したとたん、連絡が取れなくなり、報酬も支払われなかった、ということになりかねません」

当然、報酬未払いのことはクラウドソーシング会社には相談できないので、泣き寝入りするしかありません。

利益に目がくらんでルールを破ると、思わぬしっぺ返しがあることを肝に銘じておきましょう。

最後に桜井さんから、「危険なクラウドソーシング案件には、募集から問い合わせ、受注、納品までの段階で小さな罠が点々としています。何か変だな、と思った時点ですぐに手を引くことです」とのアドバイスをいただきました。

クラウドソーシングサイトそのものは、依頼側と受注側、それぞれの希望にあったパートナーとマッチングできるのが最大の魅力です。

しかし、ときにブラックな案件が紛れ込んでいる可能性もあります。

仕事を探す側が自分で自分の身を守り、また、思い描いていた在宅ワークの道を進めるよう、依頼主を選ぶ目を養っていきましょう。

 コピーライター/ライター。都内の広告事務所にてマス媒体を中心とした広告制作に携わった後、大手テレビ通販専門会社などを経てフリーに。現在は広告のほか、Webや紙媒体で子育て、教育、コスメ、グルメなどの情報を発信。男の子2人の母でもある。東京下町育ち。猫派。ビストロと大衆酒場が大好き。