噛みついたら相手が怪我をすることもある
“子どもは噛むもの”ですが、それでも歯の場合は結構固いので、子どもの柔らかい腕に噛みつくと深い歯型が残ったり、怪我をしたりします。まだ相手を手で叩いたり、突き飛ばしたりする方がましかもしれません。
子ども同士の喧嘩で取っ組み合いをするとき、見守る姿勢も大事ですが、その時、子どもが手に積木やブロックを持って相手の頭を叩いたりしていたら、大人が止めに入らなくてはなりません。
それは道具という武器を持っているからです。これと同じで歯は凶器ですので、これを止めさせる必要があります。
実際、保育園では保護者から「噛まれた」というクレームも多々あるので、保育士はこのことに関してはとても神経を尖らせています。噛む前に子ども同士を引き離すなど、見張っています。
躾としてやってはいけないこと
一番、やってはならないことがあります。
加害者である我が子に「目には目を、歯には歯を(=やられたらやり返せ)」の精神で「ほら、お友達はこんなに痛いのよ!」と親が我が子に噛みつく行為です。
親は悪い手本をやってみせたつもりでも、子どもはここで「どうしてママが僕に噛みつくんだろう?友達に噛みつくとママに噛まれる」と疑問に感じています。更にママが僕の腕を噛んだという手本を見て、同じことをお友達にまたやってしまう危険もあります。
噛んでしまった時、親がやるべきこと
では、どうすればいいのでしょうか?
まだ言葉が出ていないので、動作を教えましょう。
子どものやったことをただ禁止したり、叱ったりするだけでは、子どもは「だったらどうすれば良かったの?」となってしまいます。具体的に代替案を示してやりましょう。
それは「おもちゃが欲しい時は、噛まないで『貸して~』とお願いしようね」と、ママが両手を相手に差し出す動作を見せてください。そして、これを真似させましょう。
言葉がまだ話せなくても、動作はできます。なぜなら「バイバイ」や「ハーイ!」や「ハイ、タッチ」が出来る子だったら、両手(片手でもよい)を差し出すことなんて簡単に出来るからです。
その時忘れてはならないのは、歯を使わずにお願いができたら「噛まないでお願いできて偉いね~」と褒めることです。せっかく、親の言いつけを守って噛みたいのを我慢したのに、無視されたら元に戻ってしまいますよ。
それから、もし教えたのにも関わらず、相手の玩具を手で奪い取ったとり突き飛ばしたとしても、「歯で噛むよりはまし」と広い心を持ちましょう。
まとめ
3歳になれば、ほぼ噛みつきはなくなります。4歳になって、お友達を噛んでいる子はいません。上手に対処しながらこの時期を乗り越えましょう。
くれぐれも「うちの子暴力的に育っているわ」と思わないでください。
受け身だった赤ちゃんに歯が生えてきて食事もとれるようになった。そして、精神面でも「玩具を欲しい、と自己主張できるようになってきたわ」と、“成長の証し”としてプラスに捉えましょうね。