少子化対策の一環として、マスコミなどで注目を集めているのが「待機児童問題」ですよね。
小池都知事を筆頭とする東京都も、子育てに関する予算については、前年度より大幅に増額させて対策をとっていますが、子育て支援とは、待機児童問題だけに力を入れることを言うのでしょうか?
確かに1億総活躍社会を目標にする安倍政権の施策においては、女性も社会で活躍する場が必要ですから、そのためには子どもの預け先確保が重要です。
しかし、待機児童問題と同じくらい子育て支援において重要なのが、もっと身近な地域ぐるみの子育て支援ではないでしょうか。
そんな地域ぐるみで子育て支援をしようという試みが全国各地で起こっていますが、その取り組みの1つである「赤ちゃんの駅」というものをご存知でしょうか。
「赤ちゃんの駅」とは、自治体と地域住民が協力して、子育て世帯を応援する仕組みですが、「赤ちゃんの駅」というネーミングが、鉄道の駅のように適切な間隔で存在する「駅」と、走っては止まる「駅」のイメージからしてピッタリではないかと思います。
今回は、東京都板橋区から全国に広まった「赤ちゃんの駅」という子育て支援策の内容について、お伝えしたいと思います。
「赤ちゃんの駅」ってどういうもの?
「赤ちゃんの駅」とは、乳幼児を抱える保護者の育児を支援する取り組みの一環として、外出中の授乳やオムツ替えなどに利用できる施設のことを言います。
東京都板橋区では、保育園、幼稚園、児童館、高齢者施設、民間商業施設などの一部を「赤ちゃん用スペース」として区内に169施設(平成29年2月現在)開放しました。
オムツ替え設備を有していること、カーテンなどで仕切られ、プライバシーの確保に配慮されている授乳スペースを有していることなど、区の基準を満たせば「赤ちゃんの駅」として認定されますが、今や行政の施設だけではなく、民間商業施設にも広がりをみせています。
これまでは、オムツ替えであれば多機能トイレなどの整備により数はまだまだ少ないものの、比較的気軽にできるようにはなっていましたが、授乳施設についてはまだまだ整備不足でした。
2人の育児経験のある著者も、不衛生な狭いトイレの中で授乳をした経験が何度もあるくらいです。
赤ちゃんを連れての外出は、頻繁に授乳やオムツ替えなどを強いられるため、ちょっと買い物に出る際も大きな荷物を準備しなければならず面倒であるため、出不精になってしまいがちですよね。
「赤ちゃんの駅」は、そういったママやパパ達の外出を支援するために、東京都板橋区のある保育士の提案から実現した支援策なのです。