「母乳?ミルク?」「断乳?卒乳?」「こんな授乳方法で赤ちゃんは大丈夫?」……。

そんなFAQ(よくある質問)に【母乳110番】代表で『おっぱいとだっこ』など多くの著書もある竹中恭子さんが優しく分かりやすく回答します。悩めるママ必見です!

【母乳110番】代表・竹中恭子さんのロングセラーシリーズ

【母乳110番】誕生のきっかけは“2千人超の育児相談”から

――全国のママたちから、授乳に関する電話相談を受け付けている【母乳110番】。私自身も、産院で渡された「育児で困ったときの連絡先リスト」でお名前は拝見していました。

そもそも【母乳110番】って、どんな経緯で生まれたのでしょうか。

竹中恭子さん(以下、竹中):最初は、地元の母乳育児サークルの代表を務めていただけだったんですよ~。

1年交代制での代表ですが、当時(1991年)は今ほど個人情報うんぬんもうるさくなくて、私も代表として名前と、自宅の電話番号が公開されたのです。そうしたら、どうなったと思います?

なんと毎日、相談の電話がかかってくるようになったんです。1日平均5~6本、多い日にはなんと7~8本!

本数をカウントしていたのですが、2千本を超えた時点でもう、自分も、家族も限界だなぁと。

でもそれだけ、自分のように、誰にも相談できず悩んでいるママがいるんだ、と実感しましたね。

――自分のように?

竹中:私も二児の母なのですが、1人目は産後うつのようになってしまって2日間は抱っこすることすらできず……子どもへの申し訳なさから半年くらい、夜中に泣きながら目の覚める日が続きました。

いわゆる早期母子接触の大切さと、それがかなわなかった場合のフォローについては、別の回でまたお話しましょうね。

2人目については、乳房トラブルが多くて。乳頭は切れるわ、炎症は起こすわ……ミルクにも助けられて乗り切ることができましたが、いま思い出しても大変だったぁ!と思います。

――ちょっと話がそれますが、では竹中さん、完全母乳で子育てをされたワケではない?

竹中:【母乳110番】の代表なんてしていると、よく誤解されるのですが。

上の子はアレルギーがひどくて乳製品を使えなかった事情もあって、ほぼ完全に母乳でしたが、下の子は混合なんです。

母乳とミルクについては別の回で詳しくお話しますけれども、我が家についていえばミルクにずいぶんお世話になりましたから、その意味では“こだわりの完全母乳”とは、違う感じで育児してきたのではないかな。

――それはちょっと意外でした。でも逆にそんな竹中さんだったからこそ、ママたちからの相談やお悩みが他人事ではなかった、ということでしょうか。

竹中:そうかもしれません。とはいえ、さすがにこんなに大量の電話をひとりで受け付けるのは無理なので、相談専用に電話線を1本引いて、仲間を募りみんなで受けてはどうかと考えました。それが【母乳110番】のはじまりです。

相談員は、研修を受けた先輩ママたち。現在、顧問には現役産婦人科医の先生についていただいています。

――では早速、お悩みの実例をお聞かせいただけますか。