解決の糸口は、ママが自分で“選べる”ように
竹中:私自身、最初の子の時に産後うつになってしまったとお話しましたが、出産についても育児についても、何の情報も持たずに迎えてしまって…。
いま思えば何も知らないまま分からないまま、娘にとっても自分にとっても、得がたい機会をたくさん、たくさん逃してしまったのですね。
育児は選択の連続ですから、後悔することってどうしてもあると思うんです。でもね、知っていて選ばなかったことに対する後悔より、知らなくて選べなかった後悔のほうが大きいんじゃないかなって。
「もうひとつの方法にしておけば良かった!」というのも、もちろん悔しいですよ。
でも「この情報を知っていれば、そっちを選んだのに!」というやりきれなさというのは、自分の体験から言っても、本当にたまらないものがあるんですね。
だから、ママのお悩みに“共感”して寄り添って、話を聞いて、ママ自身に“選んで”もらえるような相談を心がけています。
それに育児の悩みって、先輩ママの共感で問題の8割がたは解決することが多いんですよ。
二世代三世代前までは、大家族の食卓や井戸端会議みたいな場でおしゃべりしているうちに「おばあちゃんもそうだったわよ」「うちもそうなのよ、アラお宅も?」「じゃあそんなに心配いらないわね」で済んでしまっていたことなのかもしれませんが、密室で子育てするような昨今は、そうもいかないですからね。
――とはいえ、最近は「情報化社会」とも言われます。情報はあふれるほどあって、検索しても検索しても終わらない……ということもあるのではないでしょうか。
竹中:25年前から変わらないママの想いが「共感を求めること」だとしたら、最近のお悩みの傾向はまさに「どの情報を信じていいのか分からない」といえるかもしれませんね。
【母乳110番】の相談件数自体は、発足当初より減ってきています。【母乳110番】は電話相談を主に受け付けているので、いまのママたちは「通話」の習慣があまりないことにもよるのかな、と思いますが、ただ、1本1本の通話時間は、以前よりずっと長くなっているんです。
ご自分でネットで調べた情報を6個も7個もあげて「正解はどれですか」と聞かれたり。
「検索しても検索しても、どれが正しいのか分からなくて、調べれば調べるほど迷っちゃって……」なんて感じているママが多いように思いますね。
そんなママにはね、「情報の探し方を変えたら?」とアドバイスしているんですよ。
――情報の探し方を変える? どういうことでしょうか。