母乳110番】の現場からお伝えする育児相談シリーズ「よくある質問」特集。

第4回は「食事の量が増えない場合は乳離れしなきゃダメ?」【母乳110番】代表で『おっぱいとだっこ』など多くの著書もある竹中恭子さんが、「離乳食」の“新常識”について解説します。

「おっぱいばかりで離乳食を食べてくれません」でも心配しないで!

――前回のインタビューでは「母乳トラブル」解決に関する“新常識”についてお伺いしました。目からウロコだった!というママも少なくなかったのではないでしょうか。

今日は「離乳食と断乳」について教えていただけるとのことですが、これにも“新常識”があるのでしょうか。またどうして今回、このテーマを選ばれたのでしょうか。

竹中恭子さん(以下、竹中):まず結論から申し上げます。「離乳食」が進まないからといって断乳する必要は全くありません。以前は「離乳完了」の時期について母子手帳にも書かれていましたが、いまではその記載もなくなっているはずです。

ちなみに本日お伝えしたい“新常識”は2007年、厚生労働省から指針として出されたものです。

――2007年?もう10年以上も前ですか。

竹中:だからコレ、実は全然、新しくないのね(笑)。

でも、どうしてあらためて“新常識”としてお話ししたいかといえば、【母乳110番】には相談件数が増える時期が二度ほどあって、グラフにするとふたつの山ができるのですが、一度目は産後まもなくの初期、授乳の仕方に関する相談。

そして二度目が生後5~6カ月から1~2才にかけての離乳食の相談。「離乳食」は0才から悩んでいるし1才になっても2才以降も、とにかく悩んでいる人が多いのが特徴です。

ママやパパの親世代、つまり赤ちゃんのおじいちゃんおばあちゃんの時代と現在では「離乳食」についての考え方がガラッと変わっています。

でも祖父母世代はどうしても自分たちの“常識”を「正しいもの」と思い込みがちなので、結果として“新常識”がなかなか広まらない、ともいえるかもしれません。

――実際には、どんなご相談が寄せられているのですか。

竹中:生後半年を過ぎた頃から「離乳食の量が増えないのですがどうすれば?」というお電話が急増します。

周囲から「おっぱいさえやめれば食べる量が増える」と攻撃される、また健診等で「断乳を勧められた」けれど「赤ちゃんはまだまだ欲しがっているのにどうしたら?」というような例もよくあります。

お食事の量が増えないからといって、赤ちゃんが「おっぱい大好き!」で、ママも「まだあげたいな」と思っているなら、無理やり母乳をやめる必要は全くないのに。

――では“新常識”に基づく対応とは、どのようなものなのでしょうか。

離乳食を始めても母乳は続けてOK!厚労省&ユニセフのお墨付き

竹中:厚生労働省や、母乳育児支援をしている産婦人科の先生方が勧めているのが「母乳を続けながら『補完食』という考え方でやってゆきましょう」ということ。つまり「“離乳”食」ではなく、あくまでも足りない栄養素を補う「“補完”食」として捉えましょう、というスタンスです。

UNICEF(ユニセフ=国連児童基金)とWABA(世界母乳育児行動連盟)も、母乳育児に関する「ゴールド・スタンダード」(理想的なあり方)として「最初は母乳だけ、その後もほかの食べ物を補いながら母乳を与え続けて育てる」ことを提唱しています。

たしかに生後6カ月以降は鉄分などが不足してくるので、それを補いながら、でも母乳をやめてしまうのではなく、音楽でいえば“伴奏”みたいな感じで、ずっと鳴っていても構わない、どちらも続けましょうという考え方です。