3. 課金トラブルへの対処法
子どもが親のクレジットカードを勝手に使ってゲーム課金をした場合、未成年者の契約だから支払いの義務はないと思う方もいるかもしれません。しかし、未成年だからといって必ず返金されるとは限りません。
民法では、未成年者が親権者などの承諾を得ずに行った契約は後から取り消せるとされていますが、親のクレジットカードを使って決済をした場合には当てはまらず、親のクレジットカードの管理責任が問われます。
これは会員規約で定められた「善菅注意義務」とよばれるもので、名義人がカードを適切に管理せず名義人以外の人に使用された場合は支払い義務が生じる可能性があります。
また、子どもが「嘘の生年月日」を登録し年齢を20歳以上と偽ったケースでは、返金が難しいようです。
請求の取消や返金を希望する場合は、まずはクレジットカード会社とオンラインゲームの提供会社、必要であればApp StoreやGoogle Playの運営元へ課金請求について事情を話して相談してみましょう。
そこでの話し合いも難航する場合は、課金トラブルの相談件数が多い国民生活センターへ相談してみるのも良いかもしれません。
4. 課金について、どのように子どもに伝えたらいいか
子どもにはまず、「課金とは何か」というところから話してみてはいかがでしょうか。
課金そのものは「お金を払う」行為なので悪いことではありません。
ゲーム課金すべてが悪いのではなく、課金したお金の出所が、お父さんお母さんが働いて得たお金の場合は、それっていいのかな?と子どもに質問してみてください。
子どもが親の承諾を得ず課金することは、親のお金を勝手に使うことと一緒であることを子どもに伝えて、今後の課金のルールについて親子でお互い意見を出し合い、子どもも納得できるように決めていきましょう。
自分のお小遣いで支払っていたとしても、お小遣いの出所は親からのお金です。その使い方がふさわしいか、話し合ってみましょう。
なお課金トラブルに巻き込まれる可能性を減らすために、親は子どもに説明するだけでなく、子どもが勝手に決済できない以下の様な仕組みを作っておくことも大事です。
子どもに端末を渡す時は、必ずサイトからログアウトした状態にしてから渡す。
そのまま渡すと、親のアカウントに紐づけされたクレジットカードデータで課金が可能になってしまう場合があります。
子ども用のアカウントを作成し、閲覧や決済の制限をかける。
親のアカウントは安易に利用できないように、推測されにくいパスワードロックをかける。
しかしながら、親子で気軽に相談できる関係を普段から構築していくことが一番大切なのかもしれません。
田端 沙織(たばた さおり)
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャル プランナー
2男1女を育児中のワーキングマザー。証券・運用会社で10年以上の勤務経験を活かし、FPサテライト(株)所属ファイナンシャルプランナー 兼 金融教育講師として、「正しく・楽しく・分かりやすく」お金のことを伝える活動をしています。