惹きつけられる理由は? 大井川鐵道に見るキャラクターの魅力
やはり「きかんしゃトーマス」が、男の子を惹きつける最大の理由は、多種多様な働く乗り物たちと、キャラクターの個性なんだろうと思います。
蒸気機関車ほか、バスや車、ヘリコプター、船などの車体に、人間のような顔がくっついている独特の風貌は、トーマスに不慣れな人に「軽くホラー」と言わしめる、独特のインパクトがあります。
特に、静岡県を走る、大井川鐵道のトーマス号SLや、ジェームズ号SLは、その完成度の高さから、「子どもが見たら泣き出すんじゃないの……」という大人の声も、チラホラ耳にしたほど。
でも、大好きな子にとっては、泣き出すどころか、大興奮なんですよね。
大井川鐵道のトーマス号SLは、現代の電車と違い、ベースは古い蒸気機関車と客車。ガタンゴトンとゆっくり進み、登り傾斜のある区間では、文字通り「トーマスが頑張っている」のが、よくわかったりします。
トーマスが働いている事実を、肌で感じられるインパクトは、子どもにとっては絶大です。
乗車チケットは抽選制
「きかんしゃトーマス」のコンテンツ力を、日本国内でもっとも幅広く味わえるのが、富士急ハイランドのトーマスランドだとしたら、もっとも強烈に味わえるのが、大井川鐵道でしょう。
2017年に大井川鐵道でトーマス号が走行する『Day out with Thomas 2017』は、2017年6月17日(土)から10月9日(月・祝)までの開催。
実際に乗車できる、実物大のトーマス、ジェームズ、バスのバーティーほか、千頭駅他のトーマスフェア会場では、ヒロ、パーシー、ラスティー、いたずら貨車、いじわる貨車に会えます。
トーマス号、ジェームズ号、バスのバーティーの乗車チケットは、原則として抽選制。オフィシャルサイトをチェックしてください。
最高傑作かも!? トーマス映画最新作
そして、もう一つ言及しておきたいのが、2017年4月8日(土)公開『映画 きかんしゃトーマス 走れ! 世界のなかまたち』。
ここ数年の劇場版はすべて観ていますが、最高傑作と表現しても過言ではないかもしれません。
今ではプラレールを卒業したうちの息子も、最初からエンディングまで、釘付けでした。
まず、「きかんしゃトーマス」の魅力として、前段でも触れた、多彩なキャラクター。
『映画 きかんしゃトーマス 走れ! 世界のなかまたち』では、速さ、強さ、美しさ、技術などを競う「グレート・レイルウェイ・ショー」に参加する、世界各国の機関車たちが集結します。
もう、続々と新しい仲間が走ってくるだけで、興味津々。
キーとなるキャラクター、インドから来たアシマは、整った顔立ちと、華麗な装飾で、“ちょっと年上の、憧れのお姉さん” のような雰囲気。
トーマスは照れて、心にもなく意地悪な対応をしてしまったりするのですが、男の子は、トーマスの気持ちがわかって、気恥ずかしい気持ちになったりするかも?
また、「世界中の機関車が集まって、誰がいちばん速いかを決める」という導入が、単純に興味をそそります。
さらには、ソドー島で最も速い機関車の一台、ゴードンが、流線型に変身。
シューティング・スター(流星)のニックネームを名乗るとあって、もう大興奮。
子どもたちをグイグイ物語へ引き込みます。
物語に夢中にさせたところで、実は、主題は別のところにあり、これが今までの「きかんしゃトーマス」映画になかった描き方で、とても素敵なのですが、これは映画館でのお楽しみでしょう。
ひとことだけ言えば、アシマはトーマスに「あなたはあなたのままでいてほしい」と歌うのですが、まるでお母さんから、愛する我が子への、メッセージのようでした。
トーマス好き男児が夢中で楽しめるのはもちろん、パパとママは「だからうちの子はトーマスに夢中になるんだな……」ということがよくわかる、良作映画だと思います。
<参考>『映画 きかんしゃトーマス 走れ! 世界のなかまたち』
公開/2017年4月8日(土)シネ・リーブル池袋、全国イオンシネマほかロードショー